皆さんはアラックというお酒をご存知ですか?
主にココナッツや米、さとうきびの糖蜜等を原料として東南アジアで作られる蒸留酒です。
アルコール度数は20度~40度程あります。
なんと日本でも阿刺吉酒として江戸時代から知られていたそうです。
私がアラックを初めて飲んだのは代々木公園で開催されていたバリフェスの会場でした。
オフィシャルにはグァバジュースで割られたカクテルとして販売されていましたが、アラックの味だけを感じてみたかったのでソーダ割りにしてもらいました。
私は第一印象から素直に「美味しい!」と思えました。
どんな味かと聞かれると、何とも言い難い不思議な味がするのです...誰もが知っている言葉にして表現しなければならないソムリエとして失格なのですが、アラックに限っては本当に難しい…
簡単に例えると、泡盛とラム酒に似た要素を感じます。
(どちらも暑い地域のお酒…不思議!)
確かに少しココナッツの香りも感じますが、甘いココナッツミルクやココナッツリキュールのようなはっきりとした香りではなく、少しモワッとこもったようなオイリーな香りも含み、ココナッツオイルのようなニュアンスです。
グァバジュースで割ったものも味見だけさせてもらいましたが、そちらだと不思議なことにアラックらしさはほとんど消えて、アラックが苦手な人でも飲みやすい味になっていました。
たくさんの人が来場するフェスでは万人受けしそうなので、なるほどなあ〜と納得したのを覚えています。
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現地で飲む際には要注意!?
そんなアラックの地元バリ島での一部は当局の審査を受けない密造酒で、アルコール度を上げるためにメチルアルコールを混ぜることも多いらしく、そのようなアラックを飲んで失明をしたり、死亡事故が相次いだこともあるので、現地では信頼のおける飲食店やスーパーで販売されているもの以外の怪しいアラックは飲まないように気を付けましょう。
と言いつつ、バリ島に旅行に行った時、現地人の友達に「日本でアラックを飲んだけれど私は好きだった」と話すと「友達がアラックを造っているからあげるよ」と、ご厚意で水のペットボトルに移し替えた手造りアラックを貰いました。
少し味見はしてみましたが、そのアラックはガソリンのような匂いがして飲めたものではなかったため、幸い私は今も健康でいられています(笑)
こちらで少し、インドネシア料理ごとにアラックのおすすめの飲み方をご紹介します。
サテ×アラックのソーダ割り
サテは肉や魚の串焼き料理全般を指します。
ですから、焼き鳥とビールのような感覚ですね。
炭酸の刺激は辛いものの刺激を強めてしまうことがあるため、甘いピーナッツバターベースのソースが絡めてあることが多いサテをおつまみに飲むのにピッタリです。
アヤムゴレン×アラックのマンゴージュース割り
アヤムゴレンはインドネシア版鶏の唐揚げです。
地域により種類は変わりますが、揚げる前に様々なスパイスに漬け込まれます。
サンバルという辛味調味料が添えてあることが多いので、マンゴーの甘味で舌の痺れを時々リセットさせながら甘辛を交互に楽しめます。
カレー×マンゴーラッシーのような感覚です。
ルンダン×アラックのココナッツウォーター割り
ルンダンは牛肉や羊肉などをココナッツミルクと様々なスパイスで煮込んだ肉料理です。
汁気が無くなるまで煮詰めた味の濃い料理には優しい甘さでさっぱりとした飲み物が欲しくなります。
料理にもココナッツが使われているので相性ばっちりです。
まとめ
不思議なことに、暑い国のお酒は暑い時期に飲むのがやはり美味しく感じるものです。
まだ飲んだことがない方はこの夏、是非試してみてはいかがでしょうか。