新年早々の緊急事態宣言により、行きつけの店は軒並み一時休業となってしまった。昨年末、年内最後に行ったときに「来年もどうなるか分からないですねー、潰れはしないでしょうけど」と言われたのを思い出す。自信と希望が混ざったその言葉を信じて、夜はおとなしく真っ直ぐ家に帰る日々を送っている。
昨年末に飲んだお酒を写真で振り返っていると、好きな肴に出会えたことを思い出した。肉と魚、1つずつ紹介していきたい。
目次
1品目
ニラの豚バラ巻き、黄身だれ。
その名の通りの料理だけど、黄身をいつ潰すかを考えながら食べるだけでワクワクできる。
まずは潰さずに一口。タレがかなり濃いので、酒がググっと進む。続いて黄身を潰してみると、味はすっかりマイルドになって食べやすく。ニラにしっかりと絡んで、ニラ玉のような味わいを感じられるのも面白い。
串を全部食べたからといって終わらないのが酒の道。残ったタレでもう一杯飲める。
2品目
〆鯵のガリ巻き
一見海苔巻きのように見えて、シャリはない。しっかり味のついた〆鯵とガリを巻いて切っただけの料理だけど、2つの相性が抜群で素晴らしい一品になっている。ガリが辛すぎないのがポイントなのだろう。
こういう、「おかずにならない」肴がとても好きだ。お酒と一緒に味わわれるために生まれてきた料理。だからこそ、海苔の風味まで、噛んでほろりと崩れたときの楽しさまで、ガリの食感まで楽しんでお酒と合わせたい。
さて、こんな肴と一緒に飲んだのはこんなお酒。
1杯目
福島 花泉酒造「ロ万 一ロ万(ひとろまん)」
使用米はすべて会津郡産、使用している酵母も福島県開発の「うつくしま夢酵母」という地元へのこだわりがある「ロ万」シリーズのフラグシップ。「一口で万の旨みを咲かせる味わい」を目指すところからこの名前を付けたのだとか。
肉や魚に合わせるつもりだったので原酒(加水で度数調整していないお酒)を選んだのだけど、原酒とは思えないくらい軽くて華やか。
メロン系の香りに、口に含むとほのかな甘みとくっきりした旨味・酸味、後味はスッキリの苦み。まさに、万の旨味が咲くお酒。
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予定通り宣言が開けたら、またあのお店に行こう。どんな料理と酒が出てくるのか楽しみにしつつ、しばし自宅酒を堪能していく。