こんにちは。あなたにとって旅の楽しみは何ですか?
旅の楽しみといえば人それぞれですが、ワインも日本酒もこよなく愛する私にとって、旅の主目的はずばり「お酒」。旅先で酒蔵やワイナリーを訪れることこそ最大の楽しみです。
今回は人生で初めて宇都宮を訪れる機会があったので、周辺の酒蔵や酒スポットを巡ってきました。どこも日々お仕事を頑張るあなたにこそおすすめしたい素敵な場所ばかり。旅行や観光の参考になればうれしいです。最後までお付き合いください。
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☀日曜の朝から!?居酒屋新幹線開店!

京都から新幹線に乗り酒旅がスタート。時刻はまだ朝9時ですが…良い旅になることを祈って、さっそく居酒屋新幹線を開店します!(普段の休日は午前中に飲むことはさすがにありませんが、旅の間はOKという謎ルールが発動します。)
この日の相棒は「桂月 吟之夢 純米吟醸酒 55 生酒」。高知県・土佐酒造の新酒です。12月は「今年も終わるな」としんみりしがちな季節ですが、日本酒の新酒はそんな気分を軽やかにしてくれます。
口に含むと、爽やかでフルーティーな香りがふわり。プチプチとした微発泡が心地よくて、まるで朝シャンのような気分に。
この季節にぴったりのフレッシュなお酒でした。雪だるまのパッケージにも季節感があってかわいいですね。
桂月といえば、酵母「CEL24」を使ったお酒も有名。お米からどうしてこんなジューシーな香りが出るのか…と驚くほどフルーティーに仕上がります。日本酒に慣れていない方にも試してほしい一本です。
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🍶清々しい空気・自然・歴史で酒がうまい!片山酒造

そうこうしている間に東京に到着!東京で東北新幹線に乗り換えると気がつけば宇都宮駅です。関西に住んでいると東京〜宇都宮は遠いイメージでしたが、新幹線に乗れば50分足らずで到着するのに驚きました。
宇都宮駅で普通電車に乗り換え、さらに電車に揺られること30分少々、目的地の今市駅に到着すると12月ながら良いお天気で暖かくも空気が澄んでおり、思わず深呼吸したくなるようなステキな景色が広がっていました。
遠くに見える山には雪が積もっており、旅気分がいっそう高まります。
駅から徒歩10分少々で今回の酒旅メインイベントである酒蔵「片山酒造」に到着しました。

片山酒造は明治13年創業の歴史ある酒蔵で、無料の酒蔵見学が毎日10:00、11:00、14:00、15:00から開催されています。ただ事前の予約が必要なので、1人でも良いかお聞きしたところ13:15から団体さんの見学予約があるとのことで、その見学に同行させていただきました。
店内に入ると昔ながらの建物と道具が並ぶ空間に、大きな冷蔵庫がドンと構えています。その中には代表銘柄「素顔」の純米生原酒や、ここでしか買えない限定酒がずらり。

酒蔵見学は代表・杜氏の方に案内いただきました。片山酒造の建物は創業時の120年前から現在でも使用しており、今はちょうどお酒の仕込み期間です。
日本酒造りは洗い場でお米を洗米するところから始まります。お米の中心にある心白は脆いのですが、適切な量を給水させる必要があるため「洗って水につけて絞る」作業を、1分1秒単位で調整する繊細な管理が必要です。
次に、釜の上に甑(こしき)という大型のせいろのような蒸し器でお米を蒸していきます。食べるお米は炊くのに対し、日本酒用の酒米は蒸すという違いがあるのですね。
1つのタンクに1.5トンものお米と2000リットルのお水を使い、約2000本のお酒が出来上がります。

なかでも驚いたのが「お酒は失敗しても勝手に捨ててはいけない」ということ。日本酒には材料を購入した時と販売した時の二重課税が課せられ、税務署の管理が必要なため廃棄する場合も申請が必要なのだとか。なかなか厳しいですね…
次の工程は「仕込み」で、大きなタンクに蒸したお米や麹などを入れてアルコール発酵させます。発酵途中でタンク内の液体を混ぜる必要があるのですが、うっかりタンク落ちてしまうと即死だそうです!皆さん注意しましょう(?)
アルコール発酵2日目はまだお米は固形のため硬いのですが、2週間経つと徐々に溶けて液体になります。本醸造のお酒は20日ほど、高級な吟醸系は4週間ほどでお酒が完成します。
その後の「絞り」工程で液体のお酒と固形の酒粕に分離します。現在は自動圧搾機を使用するのが一般的ですが、こちらの蔵では「袋絞り」という発酵を終えたお酒を袋に入れ、圧力をかけずに重力で自然に滴り落ちる雫だけを集める伝統的な製法にこだわっています。
袋絞りは手間と時間はかかるため、最近ではあまり使用されないのですが、圧力をかけないため雑味が非常に少なく、香り高くクリアな味わいになります。押せば押すほど雑味が出てしまうので、3時間以内に絞ることを理想としているそうです。
😅見た目は少々アレな栃木の食文化&お待ちかねの試飲タイム!

栃木県は酒粕を料理に使う文化なので、酒粕をより風味豊かにするためにも袋絞りにこだわっているそう。
あなたは「しもつかれ」をご存知ですか?
私は今回の旅で初めて知ったのですが、栃木県を代表する郷土料理のひとつ。正月に食べた塩引き鮭の頭や、節分に煎った福豆の残りの大豆などの残り物を使った、先人たちの知恵が詰まった一品なのだとか。
だいこん、大豆、塩引き鮭の頭、ニンジン、油揚げにしっかり酒粕も使用する煮物料理です。(現地在住の方に話を聞くと、見た目がアレなのもあってあまり食べない。特に子供は苦手な料理とのこと…)
「しもつかれ」以外にも料理に酒粕を使用するので、お酒を絞った後の酒粕も店頭販売していました。
肝心のお酒の製造は「無濾過生原酒」中心。「無濾過生原酒」は濾過をしない、熱処理もしないので品質が安定しづらく要冷蔵ですが、蔵元でしか味わえないフレッシュさが特徴的なお酒です。
ちなみに日本酒には甘口と辛口がありますが、製造工程にはどのような違いがあるかご存知ですか?
これは「酵母😋+糖🍬 → アルコール🍶+二酸化炭素🫧」というアルコール発酵のメカニズムによるものです。
日本酒造りではお米に含まれるデンプンが欠かせません。しかしデンプンは分子が大きいので酵母が食べることができません。(酵母は微生物なのですが、パックマン的なものだとイメージしてください。)
そこで、酵素でデンプンの分子を切って「糖」という小さな分子に変換します。「糖」の状態になると酵母がパクパク糖を食べて、アルコールを生み出します。
つまり発酵の過程で早く絞れば糖が多く残るので甘口になり、より発酵させれば酵母が多くの糖を食べつくした状態になるため辛口になります。
片山酒造の蔵見学は、残念ながら酒造りの工程を巡るスタイルではなかったですが、お楽しみの試飲はしっかりいただけました。

本醸造のしぼりたて無濾過生原酒はアルコール度数が19度もありシッカリしていながらもキレが良いので、アルコールの重さを感じさせない味わいです。製造している蔵でしか出会えないフレッシュさが魅力的です。
純米吟醸は「夢ささら」という栃木県で開発された酒米を使用しており、香りが非常にフルーティーな味わい。酵母によって香りが大きく変わるのだそう。フルーティーなお酒は劣化するのが早いので、なるべく早く飲むのがオススメとのことです。
同じお酒の大吟醸は香りから非常に甘く、メロンのような良い香りが漂います。味わいもしっかり甘くしっかりしています。兵庫県の山田錦というもっともグレードが高い高級な酒米が使用されています。
酵母は青リンゴのような香りになる茨城県の「M310」を使用しており、個人的にはより甘いバナナのようなフルーティーさと甘みを感じました。
最後に甘酒もいただきました。甘酒の香りは、パン屋さん入った瞬間に感じるような甘い良い香り!
トロっとした飲み口はパン粥のようで、栄養万点・飲みすぎの内臓に優しい味がしました。

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いかがでしたか?関西からは移動に時間はかかりますが、朝から居酒屋新幹線を楽しめば宇都宮までは案外あっという間です。
酒蔵にてお酒造りのこだわりを聞いて試飲も満喫したところで、次の酒蔵へ向かいます。片山酒造から徒歩10分もかからない場所に「渡邊佐平商店」という酒蔵があるのでハシゴしてきました。
まだまだ酒旅は続きますので、次回もお楽しみに!
