世界で1番売れているスコッチウイスキーといえば、ジョニーウォーカーである。ブレンドにこだわり80年以上ものあいだ世界中から愛されているブランドである。
誰もがあのシルクハットに片メガネ、赤のフロックコートにステッキといういで立ちのストライディングマンを一度は目にしたことがあるだろう。
そんな歴史あるジョニーウォーカーのキーモルトが「カーデュ」である。そのため蒸溜所はジョニーウォーカーのビジターセンターも兼ねている。
日本では認知度はそこまで高くないが、スペインでは人気のシングルモルトである。
そんなカーデュの発展の歴史には2人の女性の活躍が大きい。この2人がいなければ今のカーデュはなかったかもしれないので、カーデュの蒸留所の詳細から歴史、味わいまで紹介する。
カーデュ蒸溜所
スペイサイドにあり、スペイ川中流域、マノックヒルの丘の上に建っている。
カーデュはゲール語で「黒い岩」の意味。
1811年に創業者のジョン・カミングが農業のかたわら、ウイスキーづくりを始めた。
蒸留所の規模はウォッシュバックはカラ松製で8基。ポットスチル6基。
仕込み水はマノックヒルの泉の水を使用。
年間生産量は約240万ℓでそのうち3割がシングルモルト用でその7割がスペインに出荷。スペインでは人気のモルトである。
カーデュを支えた2人の女性
現在のカーデュの発展には二人の女性の存在が欠かせない。
まず一人目は、創業者カミングの妻はヘレン。
ヘレンは近隣の密造酒仲間から「肝っ玉かあさん」と呼ばれる女傑だ。
査察団が巡回に訪れると進んで宿を提供し、彼らが食事のテーブルについている間に素早く納屋に走り、合図の旗を屋根に揚げて査察団の来訪を近隣に知らせて助けた。
近所の世話好きおばさんのような存在である。
2人目は、創業者カミングの息子ルイスの妻エリザベス。
ルイスの死後、蒸溜所を受け継いだエリザベスは、女性としたは珍しいほどの経営手腕を発揮し、19世紀後半にはカーデュの名声を不動のものにした。
当時は「ウイスキー産業の女王」とまでいわれた人物であった。
カーデュの成功は大会社の注目するところとなり、1893年にジョン・ウォーカー&サンズ社が買収。
それ以来ジョニーウォーカーのメイン原酒として今日に至っているので、エリザベスの功績はかなり大きいといえる。
このようにカーデュの発展にはこの2人の女性の活躍なくしてはありえないだろう。
カーデュの味わい
ラインナップは12年と18年があるが、代表的な12年の味わいを解説。
本当にスペイサイドの美酒に相応しい、スムースでメロウな味わいで上品なモルトの甘みが素晴らしい!ライトタイプなので、特に女性にお勧め。
ハチミツの甘みが口に広がり幸せな気分にさせてくれるので、モルト初心者に、まず飲んで欲しい1本。
ジョニーウォーカーが好きな人なら是非飲み比べてほしい。
スペイサイドの美酒
女性が活躍した蒸留所なので、モルトもどこか女性っぽい味わいがするのは不思議である。
このように蒸留所の歴史を知るとモルトの味わうときに深みが増す。
認知度は高くないが、まさに隠れたスペイサイドの美酒だといえる。もし、店頭で見かけたら手に取ってこの女性らしい華やかなモルトを堪能してほしい。