こんにちは。前回に引き続き新潟酒旅の様子をお届けします。
宿泊した「アートホテル新潟駅前」は新潟駅から直結しているため駅からのアクセスが良いだけでなく、なんと朝食から日本酒が飲み放題というとんでもないホテルでした!
今回は日本酒飲み放題が楽しめるホテルの朝食、そして「ワイナリー巡り」についてレポートしていきます。特にワイナリーはまるで天国に来たかのような素敵な場所でしたので、皆様にもぜひ訪れていただきたいです。今回も最後までお楽しみください。
目次
朝から日本酒飲み放題!?肝臓を休める隙がない!これぞ酒旅!
旅行1日目は朝ビールを飲み、お昼から日本酒を飲み、夜も日本酒飲み放題とお酒びたりな1日を楽しんだのですが、2日目も朝からお酒を楽しんでいきます。
「アートホテル新潟駅前」の朝食はなんと日本酒が飲み放題で、お食事や日本酒のラインナップはどのようなものか楽しみです。
若干二日酔いの気もありますが、せっかく旅行に来たので名物を満喫しないのはもったいないので朝から楽しんでいきます。
お待ちかねの朝食会場に到着すると、日本酒は4種類もありセルフで継ぎ放題というありがたいシステムでした。

ラインナップはこちら。どれも新潟のお酒で朝からテンションが上がります。
・越乃白雁 純米吟醸 新之助/中川酒造
・謙信 特別本醸造/池田屋酒造
・天然水仕込み純米酒 今代司/今代司酒造
・想天坊 外伝 辛口純米酒/河忠酒造
お食事の種類も豊富で新潟名物のお料理が多く、つい食べ切ることができるか心配になる程たくさん取ってしまいました。
日本酒に合う肴も豊富です。ごぼうやひじきは普通におかずとしても美味しいながら日本酒に合いますし、イカの塩辛、昆布、明太子、ししゃもなど盛りだくさんです。
新潟は米どころのため、美味しいお米に合うお供の種類が多く、お米に合うものは当然日本酒にも合います。お米をそのまま食べるか、お酒にして飲むかの差である事に改めて気づきつつ、新潟名物のタレカツも取って朝から豪華な食卓です。
まだ朝8時20分ごろですが…日本酒と一緒にいただきます!(普段さすがに朝酒はしませんが旅行中なのでヨシとします。)

食事中に「新潟名物のっぺが出来上がりましたー!新潟県産の新鮮卵はいかがでしょうかー?」という魅力的な店員さんの声を聞きながら胃のキャパシティと次の予定に向けて時間も限られていたため、我慢して9時には朝食を終了しました。(そうは言ってもお腹はいっぱいです。)
他にも新潟名物の笹団子や、地元の牛乳で作ったコーヒープリンなど甘いものが充実しているのも嬉しいポイントでした。
普通はコーヒーを合わせるところで日本酒を飲むという、脳みそが混乱する組み合わせでしたがどれも美味しく非常に満足しました。
朝食の時間を45分ほどしか確保できなかったのですが、2〜3時間は飲食を楽しめそうな内容でしたので、朝食をゆっくり楽しむためだけに訪れても十分に満足できるホテルでした。
www.art-niigata-station.com
天国に来たのかと錯覚するステキ空間「カーブドッチワイナリー」
素敵な朝食を切り上げて本日のメインイベント「ワイナリー巡り」に向かいます。今回訪れるのはカーブドッチワイナリーで、「滞在するワイナリー」をコンセプトに美しいぶどう畑の中にホテルやスパやカフェなどが展開されています。11時からはワイナリーツアーがほぼ毎日開催されているため宿泊でも日帰りでも楽しめるスポットです。
新潟駅から20分ほどの内野駅まで電車に乗り、ワイナリーまで行ける無料のシャトルバスが運行しているので、車がなくても行くことができます。バスもワイナリーツアーも事前予約可能なので、訪れる2週間ほど前に予約しておくことをオススメします。
www.docci.com
カーブドッチは海から近い場所にあり、道中も美しい海岸線を走りながらブドウ畑まで到着しました。
非常に自然豊かで、日差しはそれなりにありますが関西の暑さとは異なり風は涼しく、ちょうどブドウがなっている時期で、景色が本当に素晴らしいです。
道はレンガで美しく整えられており、お花が咲いて蝶々も飛んでいるので天国に来たのかと思うレベルです。
建物は洋館が数軒立ち並んでおり、中にはショップやレストランがあり、アレもコレもとついつい欲しくなってしまう雑貨やワイン、食品が並んでいます。

11時になりワイナリーツアーがスタートしました。参加費は2200円で、入り口から近いワインショップでお支払いし、他の参加者の皆さんと集合します。
まずは畑を案内していただきました。ブドウはちょうど収穫前の状態で「一粒食べてみて良い」との事で、初めて生のアルバリーニョ(ブドウの品種名)をいただきました。味わいはしっかり甘みもあり生のまま食べても十分美味しいブドウでした。粒は食用よりかなり小粒ですが、その分凝縮感があり、ブドウより甘みと酸がしっかりしていました。

仕立て方は日本でよく見る棚仕立てでなく、ヨーロッパで一般的な「垣根仕立て」。
写真のように縦一列にブドウがズラッと植えられています。
畑は東京ドーム2個分ほどの敷地の中に20種類ほどの品種のブドウが育てられており、土壌は砂地でサラサラの水捌けの良い土地、海からも近いので砂浜に近い土壌です。

土壌の特性もあって赤はフルボディになりにくい(成熟しにくい)のですが、特に白のアルバリーニョが最高です。アルバリーニョはスペインやポルトガルの海沿いで主に作られている別名「海のワイン」と言われる品種で、ここで作られるアルバリーニョは香りが特に素晴らしく、高級な紅茶を飲んでいるようなフルーティーさとうっとりするほどのアロマティックな香りが特徴です。
醸造所にも案内していただけました。ちょうど仕込みをされている時期で、まるで理科室のようなコーナーも…(楽しそう!)

カゴの中に収穫されたアルバリーニョが置かれていました。まずはフサを取って圧迫して果汁だけにします。
その後、果汁に酵母を加えてアルコール発酵させます。ブドウに含まれる糖分を酵母が食べて、アルコールと炭酸ガスに分解する工程が「アルコール発酵」です。
発酵を行うタンク室にも案内いただきました。9月はちょうど収穫や仕込みで忙しい時期とのことですが、タンクに詰められて発酵途中のワインを発酵の最初・中旬・終盤の3種類の試飲をいただけました。
発酵し始めのワインはほぼ果汁そのままの状態で、香りはブドウ本来の甘みが強くオレンジ色、味は微発泡したブドウジュースといった感じです。
二段階目は少し発酵が進んだ状態のもので、こちらもかなり濁っているものの味わいはワインに近くなってきており、酸と旨みがしっかりしていました。
発酵最終に近いものは、これも濁りが強く香りは酵母の旨みが、味わいは酸味がしっかりしていました。
このような発酵途中のワインをいただけるのもワイナリーツアーの醍醐味ですし、仕込み途中の時期だけにしか味わえない貴重な体験ができました。

次は木樽熟成のコーナーです。樽はフレンチオークを使用しており、醸造家の方がどの樽を使用するのかを決定し、樽によってワインの個性が変わるので醸造家のこだわりが見えるポイントだそうです。
カーブドッチでは年間10万本を制作しており、その内自社で製造しているブドウは3割、その他は他県含めてブドウを購入しワインを製造しているそう。今年収穫したブドウで早いものは9月中にリリースされるとのことで、収穫から出荷まで2ヶ月ほどと非常に早いのも驚きました。

ワインは多くの種類をリリースされているのですが、主に3シリーズ展開されています。
1つ目の「セパージュシリーズ」はクラシカルな単一品種中心、2つ目の「動物シリーズ」は掛川さんという醸造家の方が自由に作ろうとしたワインシリーズでオウムや一角獣、ムササビなどが描かれたかわいいパッケージです。全部で12種類あるのですが、年によって作らないものも多いので、なかなか出会えないレアな絵柄もあるのだとか。こちらはイラストが可愛いのでショップでポストカードも販売されていました。
3つ目の「FUNPY」はFUNとhappyを合わせた造語で、県外の食用ブドウを使用しており、コンセプトは食用ぶどうの可能性を追求すること、そして楽しくてハッピーな味わいを目指すことです。
色々あるので、これから飲み比べていきます!
天国のような場所でワインにまみれ、さらに天国心地…

ワイナリーツアー最後のお楽しみは試飲タイムです。試飲では動物シリーズの「ムササビ」をいただきました。こちらなんとカベルネ・ソーヴィニョンを使用した白のスパークリングというレアものです。
カベルネ・ソーヴィニヨンと言えば色合いもタンニンもしっかりしたフルボディになるはずの品種なのですが、それが白なのも変化球ですし、さらにスパークリングは初めて飲むかもしれません。香りも味わいも酸味がしっかりしており、なかなか出会えない1杯でした。
2杯目は「SABLE 赤」をいただきました。SABLE(サブル)とはフランス語で「砂」の意味で、こちらの土壌の特徴である砂質土壌の名を冠した、カーブドッチのフラッグシップワインです。
砂質土壌のニュアンスを表現するためボルドー系の品種カベルネソーヴィニョンとメルロー、プチヴェルドとマルベックが混ぜられています。
香りは甘めでメルローの土っぽさとまろやかさが最初に来つつ、後からカベルネ・ソーヴィニョンの青っぽさが香ります。
味わいは酸味がしっかりとしており、カベルネ・ソーヴィニョン主体ながらそこまでアタックが強くないのは日本のブドウだからなのでしょうね。
香りに出汁っぽいニュアンスを感じる点が日本のワイン独特の香りだと思います。
試飲2杯も飲めて大満足のワイナリーツアーでした。2,200円の価値は十分にあります。
ツアー終了後、隣のカウンターでワインテイスティングができるカウンターがあったので気になる他のワインも飲んでいきます。
ボトルで購入すると5,000円や6,000円するワインも1杯300円とリーズナブルにいただけるのがありがたいですね。

選んだのは、先ほど生の状態でいただいた「2024アルバリーニョ・ルノー」です。残念ながらこちらはカーブドッチで収穫されたものではなく、山形県のアルバリーニョを使用したワインですが、香りが本当にステキです。
香りも味わいも非常に豊かでリンゴや白桃を思わせるフルーティーさやお花の香りでいっぱい、ミネラルはそこまで強くない味わいでした。
おそらくカーブドッチのアルバリーニョは人気でなかなか在庫がないのでしょうね…以前一度飲んだことがあるのですが、あまりの香りの華やかさに驚きました。1本6,490円と少々高額ですが試す価値はあるので、ぜひ試してみてください。

https://nwinecoast.thebase.in/
別のお店では、500円でワイン3杯の試飲ができるコーナーがありました。
最初に選んだのは動物シリーズの「いっかく」でソーヴィニョン・ブランとケルナーのアッサンブラージュ(2種類を混ぜたもの)との事ですが、フルーティーな香りでソーヴィニョン・ブランの酸味はあまり感じない飲みやすい1杯です。
FUNPYは全体的に香りがブドウそのもので、味わいもブドウ観がかなり強くフレッシュな味わいが魅力なのだと実感出来ました。
ロゼ、赤もいただきましたが同じくフレッシュなブドウを感じられる1杯です。

お店の中で立って飲むコーナーもあるのですが、お店の外のテーブルで飲んでも良いとの事で、昼間から外でワインをいただきました。夏の大阪は日陰でも日中は暑く長時間外にいるのは危険な程ですが、新潟は風が涼しいので心地よく、昼間にお外にいても快適な環境でワインをゆっくり味わうという最高の体験ができました。
お店には焼き立てのパンやお菓子も売っており、ライ麦のパンを購入しワインと合わせて食べたところ、ライ麦の酸味がワインにピッタリでどんどんワインが進みました。
また、ルサンクワイナリーのメルローもいただきましたが、こちらは香りがフルーティーかつキャンディー香のような甘さがありつつ、味わいはドライで非常にバランスが取れたワインでした。

最後はワインを読みながら本を読めるブックカフェで、ゆっくりと過ごしました。
カフェと言いながらカーブドッチの施設の一部なので当然ワインもオーダーできます。こちらでいただいたのは先程のFUNPYの白です。外で飲むのも良いですが、クーラーの効いた涼しい空間もやはり良いですね。自然を楽しみお昼からワインをいただきゆっくり過ごす…本当に最高のひとときです。
ブックカフェなので店内の本を無料で読むことができ、料理やお菓子作りの本など様々なジャンルの本が置いてあります。日常はなかなか作れない手の込んだ料理やお菓子作りができる、余裕ある生活を妄想しながらワインを飲むという落ち着いた午後のひとときを過ごせました。
色々な所を訪れる旅行も良いですが、こうした時間を過ごせるのも旅の醍醐味ですね。
帰りもカーブドッチから内野駅に向かうバスに乗り、電車で新潟駅に帰ってきました。
駅でお土産を購入し、ホテルに預けていた荷物を受け取ってバスで新潟空港に向かうと、重い荷物を持つ時間を最小限にできスムーズに移動できます。
旅の締めくくりも…やっぱりコレ!酒に始まり酒で締めるのが酒旅!
無事に新潟空港に到着し、楽しかった酒旅もこれにて終了…とせず最後まで楽しんでいきます。
フライトまで小一時間あったので、コンビニでカップ酒とおつまみを調達しました。手荷物検査場を通過した後のお店にも新潟のカップ酒が数種類置かれており、本当にフライト直前までお酒を満喫できるのが新潟の良い所です。

そしてフライト直前にも最後の1本を購入し、飛行機の中でも飲んで帰ってきました。行きの飛行機に乗る前からお酒を飲み、帰りの飛行機までしっかりお酒に入り浸った2日間の酒旅となりました。
いかがでしたか?新潟は飛行機に乗れば1時間ほどで行けるので、1泊2日でも充実した旅程を組めます。
お酒好きな方にも、そうでない方にも訪れていただきたい所が満載なので、皆さんの旅行の参考になると嬉しいです。今回もお付き合いいただきありがとうございました!
