「ワインの名産地といえば、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリア」という感覚を持つ人は多いことでしょう。
これは決して間違いではありませんが、実はここだけでなく、世界の各地でワインは作られています。
そんな、「珍しい国のワイン」を取り上げるとしましょう。今回取り上げるのは、タイの「サワディー・カオヤイ・シラーズ」です。
目次
タイのワイン事情について
「微笑みの国」として名高いタイは温かい国である……と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、高原部などは避暑地に分類されており、ここでワイン造りが行われています。また、バンコクの郊外にある土地でもワインが生産されており、これらのうちのいくつかは、国際的なコンクールで受賞の栄誉を受けています。
赤ワインも白ワインも造られていますが、傾向としてはややスパイシーで、飲みやすいものが多いといえます。赤ワインでも白ワインでもしっかりと冷やして飲まれることが多いのも、タイのワインの特徴だといえるでしょう。
タイのワイン、サワディー・カオヤイ・シラーズを試してみる
ここからは、実際にタイのワインを取り上げ、そのレビューをしていきます。今回試したのは「サワディー・カオヤイ・シラーズ2012」です。
サワディー・カオヤイ・シラーズは、カオヤイ・ワイナリーというワイナリーで作られています。名前からも分かるように、シラーズ(シラー)100パーセントで作られています。
シラーらしい、そして実にタイのワインらしい、スパイシーな風味を感じさせるワインです。しかしその裏側にはやや甘味があります。この甘味はやや乾いており、熟成した甘味ではありません。ただ、ベリー系のジャムのような味わいはあります。渋みがほとんどないのがサワディー・カオヤイ・シラーズの特徴で、ベリー由来の甘味の方が強く感じられるでしょう。
冷やして飲むことで酸味を持ちます。特に後味には酸味が残りますから、飲みやすくてすっきりしたワインを求めている人にも選びやすいでしょう。
スパイシーな風味があるため、たくさんのお肉を入れたカレーにもよく合います。この場合の「カレー」は、日本式の「カレーライス」ではなく、タイなどにみられる「カレー」の方がより望ましいでしょう。
また、サワディー・カオヤイ・シラーズは、ハーブをよくきかせた肉料理にも合います。一般的な鶏肉などと合わせても良いのですが、おすすめは、ラム肉のハーブ焼きなどです。しっかりとハーブを強めにきかせて味わいましょう。
「優しい味でありながら、スパイシーで、ボリュームがある料理とマッチする」という特徴を持つサワディー・カオヤイ・シラーズは、ある意味では、非常に「タイワインらしい」タイワインだといえるのかもしれません。
価格はお店や磁器によって異なりますが、だいたい2000円前後で買えることが多いようです。