皆さんは「トリキ」に行ったことがありますか?
今回は日本が誇る居酒屋文化で楽しむワインについてのお話しです。
目次
「トリキ」とは?
トリキとは「鳥貴族」という居酒屋チェーンのことです。黄色い看板でおなじみですね。ご存じない方のために、鳥貴族というのは大阪や東京を中心に、今では1都2府10県に500店舗以上を展開している、人気の焼き鳥系居酒屋チェーン。特徴は何をオーダーしても298円(税抜)均一というわかりやすさ!もちろん飲み物も含めてです。
自慢の焼き鳥も、店舗で一本一本串を打つというこだわり。最近ではフードメニューの食材を全て国産にするなど、躍進には企業理念に基づく理由があるのですね。
居酒屋で飲むお酒
日本の居酒屋文化には、いろんなお酒が用意されていて楽しいですね。とりあえずなんでもあるというところも多いです。まさに日本の飲酒文化の縮図です。
飲み屋に入って“とりあえず生(ビール)ちょうだい!”という人もまだまだ多いでしょう。ビールは好きではないという人は、サワーやウーロンハイだったり。ホッピーで最初から最後まで通す方も結構います。
普段はワインが好きという方も、この様なところではビールや他のお酒という方もたくさんいるでしょう。先に書いたように昨今、たいていのチェーン系居酒屋ではワインも置いていますが、正直ワイン好きを満足させるものを置いているとは言えないかもしれません。
あるいはコスパ的な理由でしょうか、やはりホッピーやサワー系の様に、安価に飲み続けられるものにはなかなか勝てませんよね。仮にしっかりこだわったワインがあったとしても、日本人お得意の同調圧力的なものを気にする方もいますかね。みんながサワー飲んでいるのに自分だけワイン?みたいな。
居酒屋のワインと屋台の焼きそばの関係
さてここトリキにもワインがありました。しかもオリジナルラベルのワンカップワイン!もちろん298円!私はソムリエですが、高級ワインしか目がいかないワインスノッブではないので、この様な場面でも積極的に試してみます。
トリキのワンカップワインは赤と白の2種類、“Toriki Blanc”と”Toriki Rouge”です。
ちなみにこれらがどんなものかというと、輸入ワインと外国産の濃縮還元ぶどう果汁を使い、サントリーが国内で製造した国産ワイン(日本ワインではない)です。成り立ちだけでいうと、正直わたしも普段はボトルワインとして買わない類のものですが、ここはやはり場を楽しむことを優先します。それは屋台の焼きそばみたいなものです。あの焼きそばは、屋外のお祭りで食べてこそ、活きるもの(もちろん持って帰って食べても美味しかったりしますが)。
反対に高級ワインを屋外のお祭りで飲んでも、魅力は半減するでしょう。そう、雰囲気は調味料なのです。野暮は言っちゃあいけません。
焼き鳥とワイン
とは言いつつも、真面目にレポートしてみましょう。
味わい的には赤も白も少し甘さが目立ちます。アルコール度数も10%程度なので、さらっとした感じです。ジュースっぽさがありますね。
料理としての焼き鳥にはもちろんワインをしっかり合わせることが出来ます。
今回は塩系に白を、タレ系に赤を合わせました。
塩でいただく焼き鳥に白ワイン、イメージは柑橘系のキリっとした辛口を想定します。レモンなどを搾っていただく感じですね。
トリキの白ワインは先に述べた通り、少し甘みが目立ちます。山椒などを使って色々ためしましたが、ペアリングという観点からすると、焼き鳥にはちょっと物足りない気がします。ここはやはり酸が効いたドライな白を期待したいところ。
反対に赤は、若干の甘みがタレの甘みとリンクして、なかなか良い感じになります。肉の大きさとのバランスもありますが、タレだけに合わせるなら、濃く甘苦い系のスペインやオージーの赤とかがイケそうです。鶏肉のカットを大きめにすると、肉の存在感も保てるでしょうね。
たまにはこんなのもアリ
安価なボトルや箱詰めワインを、グラスで提供しているチェーンも多いですが、ここトリキはオリジナルラベルのワンカップにして、メニューとしての商品性を持たせているところがミソ。しかもラベルにおみくじまで付いてる!
たまには目先を変えて、居酒屋で安ワインでもいかがですか?