日本でも人気のワイン産地、イタリア。南北に長いその国土には20の州があり、その全てでワインを産出しています。
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国別生産量で常にトップを争うイタリア
ヨーロッパ大陸南部にある、このブーツのような形をした国。国土は日本の約80%ですが、人口は日本の約半分ほどです。イタリアワインの歴史は古く、紀元前、古代ローマまで遡ります。温暖な気候で日照にも恵まれ、ぶどうの生育期にほとんど雨が降らないという、ぶどう栽培には非常に理想的な環境で、この地にワイン造りを伝えたギリシャ人にして「エノトリーア・テルス(ワインの大地)」と言わしめたといわれます。
現在、国別ワイン生産量において世界第一位のイタリア。ヨーロッパのもう一つの雄であるフランスと、毎年一位の座を争っています。この二か国がほぼ常に一位・二位ということですね。ちなみに我らが日本はまだ20位台半ばと、国土はイタリアより大きいですが、生産量はまだまだ遠く及びません。想像してみると面白いですね。そこら中にぶどう畑があるのでしょうね。
イタリアワインの特徴
イタリアワインを一言で表すとすれば「多様性」。全土に分布するその土地固有のブドウ品種から、様々なワインが生み出されています。さらにほんの150年ほど前までは統一国家ではなかったという事実が、それぞれの地方に独自の異なる文化を色濃く残しているというのも、造られるワインの多様性に影響しているのではないかと思います。
イタリアにおいて、固有品種を使って地域のワインを表現するというムーブメントは今後もつづきそうで、これからもいままで眠っていた品種が日の目を見ることがありそうです。
このように、有名な国際品種ではなく多様な固有品種を使っているということで、よくイタリアワインは覚えにくいとささやかれています。現在の様によりさまざまな国のワインが紹介され、それらにも多くの固有品種が使われている昨今では、なにもイタリアワインに限ったことではないのですが。
反面、イタリアには多くの著名なワインがありますので、それらをもとに触れていけば、結構わかりやすいのではないでしょうか。
イタリアを大きく北部・中部・南部と三つに分けて、それらをご紹介していきましょう。
北部イタリアのワイン
商業や工業の中心であるミラノやトリノ、水の都ヴェネチア、港町ジェノヴァ、ランボルギーニの故郷ボローニャといった都市がある北部。
イタリアで最も多く生産されているワインである「プロセッコ」は、気軽に飲めるレンジのスパークリングワイン。現在世界で最も飲まれているスパークリングワインで、その名前はしばしばシャンパン同様、スパークリングワインの代名詞の様に使われるほど。
一方、「フランチャコルタ」は仏シャンパンと同じ、瓶内二次発酵で造られる高級スパークリング。「バローロ」「バルバレスコ」は共にネッビオーロ種から造られる、上質な赤ワイン。「アマローネ」は収穫後に陰干ししたブドウから造られる高貴な赤。軽めでフレッシュな白の「ソアヴェ」や赤の「バルドリーノ」「ヴァルポリチェッラ」なども人気。弱発泡の「ランブルスコ」も世界中で親しまれています。
中部イタリアのワイン
高級ワイン産地トスカーナ州には州都フィレンツェ他、ピサ、シエナ、リボルノといった街があります。そして中部にはイタリアの首都であるローマがあります。
「キアンティ」は、日本で最も古くから親しまれているイタリアワインではないでしょうか。以前よく見た藁苞のフィアスコボトルに入った、軽めのデイリーワインから、しっかりした赤まで様々な味わいがあります。「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」はキアンティとおなじサンジョヴェーゼ種で造られる、力強い赤ワイン。「サッシカイア」はスーパー・トスカーナと呼ばれた赤ワインのムーブメントの象徴ともなった一本。「オルヴィエート」「フラスカーティ」「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」といったフレッシュな白も有名。しっかりとした果実味を持つ濃厚な「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」も中部を代表するワインです。
南部イタリアのワイン
有名な都市はなんといってもナポリでしょう。一番大きい島であるシチリア島や、二番目に大きいサルデーニャ島もあります。
「グレコ・ディ・トゥーフォ」「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」という特徴的な白、そしてアリアニコ種から造られる厳格な赤の「タウラージ」は、ナポリがあるカンパーニャ州のワイン。温暖な南部にはしっかりしたパワフルな赤が多く、「サリーチェ・サレンティーノ」「プリミティーヴォ・ディ・マンデュリア」といったプーリア州のワインが比較的リーズナブルな価格で出回っています。そしてシチリアには料理に使われることでも有名な酒精強化ワイン「マルサラ」があります。
日本でも高価格帯からデイリーまで、色々なものが楽しめるイタリアワイン。
お気に入りの一本を見つけてみてください。