フランスとならぶ屈指のワイン大国、「スペイン」。ぶどう栽培面積は世界第一位、ワイン生産量は第三位を誇ります。その特徴はバラエティゆたかな土着品種。土着品種とは、その国で昔から栽培されてきた固有品種をさします。
なかでもスペインを代表するのが赤の「テンプラニーリョ」と白の「アイレン」。テンプラニーリョは、おだやかな酸とプルーンのような濃厚な果実味。デイリーワインから長期熟成むけの高級品まで、多彩なラインナップをうみだします。一方アイレンは、おなじく酸はひかえめで、さわやかな香りと味わいが特徴。その多くは早期に楽しめ、カジュアルなワインが一般的です。
この〝二大スペイン品種〟で赤白展開するのが、セブン・イレブン・プレミアムの《ヴィノセント》。今回は白の《アイレン》を開詮します。ごく淡いイエローカラーで、フレッシュハーブや芝生、柑橘のレモンを彷彿とさせる清々しい芳香。味わいは酸がおだやかで、果実のやさしい甘みがじつに印象的です。懐に染み入るような、心地よさをおぼえます。いちおしのマリアージュは、スウィートバジルとモッツァレラの「カプレーゼ」。青々しいバジルとアイレンのさわやかさが調和し、トマトの酸味も相まって、チーズのコクとワインの甘みがより一層ひきたつからです。
多種多様なスペイン品種。とても魅力的ですが「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「シャルドネ」等にくらべると、認知度は低いといえます。これだけ秀逸な《ヴィノセント・アイレン》だからこそ、バック・ラベルで、スペインならではの品種であることをもっとアピールすべきです。今後の改善に期待します。