皆さん「祭」と聞いて何を思い浮かべますか?
夏祭りの花火や縁日、ロックフェスなど人によって様々かと思いますが、ワインラバーにとっての最大の祭りこそ「阪神大ワイン祭」です!
阪神大ワイン祭りは阪神梅田本店にて年に2回開催されるワインイベントで、なんと入場料無料で約660銘柄のワインを無料で試飲できてしまうお得なイベントです。
今回の「第55回 阪神大ワイン祭」は2025年5月31日(土)〜6月9日(月)の期間、10:00〜20:00(最終日は17:00まで)で開催されています。イベントの様子、攻略のコツ、ここでしか出会えないオススメ&個性派ワインを紹介していきます。「現品限り、在庫処分品などの理由でお得にお買い求めいただけるワインも多数」なので、ぜひ最後までお付き合いいただきイベント参戦の参考にしてください。
目次
ワイン祭り攻略法:会場に到着したらまずはワインリストをチェック!
さて、ワクワクしながら阪神百貨店に到着しました。時刻は11時前とまだ午前中です。酒呑みの私もさすがに午前中はお酒を飲まないと決めていますが、旅行とこの祭りの時は例外です(笑
理由は当然の事ながら、早い時間の方がお客さんが少ないためです。午前中ならゆっくりお酒の説明を聞くことが出来ると思ったのですが、11時前でも結構な盛況ぶりでした!さすが関西最大の祭りです!負けずに私も攻めていきます。
会場に到着したらまずは会場の地図と各ブースのワインリストをチェックし、攻め方を考えます。
1ブースに20銘柄のワインを出展しており、ブースは33個あるので合計660種類のワインを無料で試飲できます。しかし当然全て飲める訳ではないので、まずは1ブース2〜3種類飲んで次のブースへ移動して飲み進めるのがオススメです。
順番としては、やはり最初はスパークリングワイン・白ワインからスタートし、赤ワインのライトボディ〜フルボトルとどんどん重いタイプのワインに移行するのが良いです。そうしなければ味の違いを理解しにくいですしね。
このイベントの良さは、同じ産地でも異なるブドウ品種を飲み比べ、または同じブドウ品種でも産地によって飲み比べて違いを理解できるところにあります。
注文の仕方ですが、まずはワインリストを見て気になるものがあれば、ブースにおられる店員さんに飲みたいお酒のNoを伝えましょう。
たまに「21!」など番号だけ言う方もおられますが、店員さんはソムリエの資格を持っておられる方も多いので、「21番をください。これはどのような特徴がありますか?」と丁寧に接することも大切です。
また、種類が多いので何を飲んだら良いかわからない時は、ご自身の好みを伝えるとオススメのものを出していただけますので、例えば「白のアッサリ系でオススメありますか?赤のライトなものはありますか?」など聞いてみるのもオススメです。
スパークリングワイン:旨みがしっかりしたクレマンからスタート
スパークリングは以下のワインなどをいただきました。
・ブースNo.2 注文No.21「フライシャー クレマンダルザス ブリュット」
・ブースNo.3 注文No.42「ヴーヴ・アンバル クレマン・ド・ブルゴーニュ グラン・キュヴェ」
・ブースNo.19 注文No.361「マールボロ・ヴァレー・ワインズ マールボロ・サン ソーヴィニヨン・ブラン バブルス」
「クレマン」というワードですが、フランスでシャンパンと同じ瓶内二次発酵という製法で作られたスパークリングワインという意味で、シャンパンのような熟成されて旨みがあります。
「シャンパン」とはフランスのシャンパー二ュ地方で作られた瓶内二次発酵のスパークリングワインの名称で、同じ製法でも別の地域で作られたものは「シャンパン」とは名乗れません。
なので「クレマンダルザス」とは「アルザス地方で作られたシャンパーニュ製法のスパークリングワイン」という意味です。
ワインは名前が複雑だったりして難しいと思われがちですが、少しずつ意味が理解できると面白くなってきます。
シャンパンは最低でも1本5,000円からと高額ですが、クレマンダルザスは2,210円(税込2,431円)とかなり良コスパです。
また、ブースNo.19 注文No.361の「マールボロ・サン ソーヴィニヨン・ブラン バブルス」はニュージーランドのマールボロという産地の「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種のワインです。
マールボロのソーヴィニヨン・ブランについては後ほど詳しくご紹介しますが、普通はスパークリングでなく白ワインなのです。今回スパークリングを初めて見かけたのでチャレンジしてみましたが、この品種の特徴である「しっかりした酸」が魅力的な1杯なので、ぜひ飲んでみてください。
白ワイン:ライトなアルバリーニョ・甲州→酸がしっかりソービニヨン・ブラン→香り豊かなゲヴュルツトラミネール
スパークリングでお口を潤したらまずはあっさりした白ワインから飲み進めていきましょう。
あっさり系でオススメの品種は「甲州」と「アルバリーニョ」です。
甲州は日本の代表的な品種で、繊細な日本食にあう味わいです。ブースNo.26「(フジクレールワイナリー株式会社)【山梨】自然派醸造のフジクレールワイン特集」で、まず注文No.501と503の「甲州」を飲み比べしてみてください。
No.501「フジクレール峡東甲州'23」は甲州らしいスッキリ繊細な味わいで、No.503「フジクレール吟果甲州'23」はより香りも味わいも濃い事がよくわかります。飲み比べないとわからない違いなので、ありがたい祭です。
アルバリーニョは「海のワイン」と呼ばれ、スペインの海沿い「リアス・バイシャス」が代表的な産地です。実は欧州で一番お米が食べられており、タコなどの海鮮も名物な地域で、日本人の舌に非常にあう味わいのワインに仕上がります。
ブースNo.4 注文No.69「ボデガス・ラ・バル」、ブースNo.10 注文No.189「キンタ・ド・エルミジウ」、ブースNo.24 注文No.466「ガルソン」がアルバリーニョを使用したワインです。
ミネラル感がすっきり爽快で、スポーツドリンクのように身体にスーッと入ってきます。これからの暑い時期に飲みたくなること間違いなしな味わいなので、こちらもぜひ飲んでみてください。
次にオススメしたい品種は「ソービニヨン・ブラン」です。中でもニュージーランドのマールボロという産地の「ソーヴィニヨン・ブラン」を飲んでいただきたいです。
このワインの特徴はなんといっても「しっかりしたグレープフルーツのような酸」と後から来る「葱のような畑を感じる青臭さ」です。
どんな味?と思われるかもしれませんが、まずは飲んでみてください。この両方を感じられる不思議で個性のある味わいです。
ブースNo.4 注文No.67「ヴィラ・マリア」、ブースNo.6 注文No.105「ブランコット」、ブースNo.16 注文No.316「マウントライリー」が特徴的です。特に「マウントライリー」は1,520円(税込1,672円)とお値打ちです。
またブースNo.6 注文No.116「ヴィーニャ・カサ・シルヴァ」は同じソーヴィニヨン・ブランですがチリ産のワインです。こちらは一転、オイルのような濃厚でねっとりとした口あたりで青々しい印象はありません。同じブドウ品種でも産地によって味わいが全く異なることに驚かされますので、ぜひ飲み比べてみてください。
次に飲んでいただきたい品種は「ゲヴュルツトラミネール」です。
正直なところ、この品種は個性が強いので好みが分かれるので、苦手な方もおられると思います。
しかし私はこの品種が大好きで、1番の魅力はお花やライチのようなあまーい豊かな香りです。個人的にはずっと嗅いでいたくなるほど大好きなので、まずは香りをじっくり嗅いでみてください。
ただゲヴュルツトラミネールは甘口のものが多く、個人的に甘い香りは好きですが甘い味のワインはあまり好きではないので(ワガママ)「辛口のゲヴュルツトラミネール」を見かけたら必ず飲んでいます。
ブースNo.2 注文No.28「フライシャー」 ブースNo.17 注文No.333「カンティーナ・ボルツァーノ」 ブースNo.21 注文No.412「カミーユ ブラウン」は辛口のゲヴュルツトラミネールなので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。あなたもこの香りの魅力に取り憑かれるかもしれません。
日本ワイン:モンデ酒造のポテンシャルに驚き!
ここからは特に印象に残ったブースを紹介します。日本ワインは前述の通り甲州が日本の代表的な品種で、日本食にあう繊細なお味や出汁のような旨みが感じられるものが多いのが特徴です。対して、ブースNo.28「(モンデ酒造株式会社)ワイン県”山梨”を満喫!品種の魅力あふれるワイン」はそんな日本ワインのイメージを一新させるしっかりとした味わいのワインが多数で驚きました。
こちらのブースではNo.543「ソービィニヨン・ブラン」、No.544「ヴィオニエ」、No.545「甲州」というブドウの品種違いを飲み比べたのですが、どれもしっかりとした熟成感と樽のニュアンスが感じられます。
赤ワインもNo.546「北杜の雫」というカベルネ・ソーヴィニヨンと日本のヤマブドウを交配させて作られたブドウ品種のワイン、No.547「プティヴェルド」、No.557「牧丘ヤマソービニオン」もいただきました。
どれも飲み口は酸味とタンニンがしっかりしているのですが後味はスッキリとしてお出汁のような旨みがあり、やはり日本のワインは日本人の舌に合うのだと改めて実感させられました。
スロバキアワイン:ここでしか出会えないワインのクオリティに驚き!
この祭りではせっかく色々なワインが試せるので、普段は選ばないワインにチャレンジするのも楽しいです。特に面白かったのがブースNo.32「(SUBA plus wine)幸せワイン予報〜イタリアのちスロバキア、ときどきフランス〜」とNo.33「(マイティワイン)全て2025年の新着!新しい伝統国スロバキアワイン特集」のスロバキアワインです。
特に印象に残ったのはNo.648の「ヴェルトリンスケゼルネ」という品種のワインで、このブドウは「ブラウフレインキッシュ」という東欧諸国で作られるブドウのシノニム(同じブドウですが呼び方が違う、方言のようなもの)という事も初めて知りました。
No.644のソーヴィニヨン・ブランはフランス系の味わいで、酸はしっかりしていますが青臭さは強くなく、ふくよかな味わいが素敵でしたし、No.657の「デュナイ」も初めて飲んでみましたが、タンニンがしっかりした味わいです。スロバキアのワインなんてなかなか普段は選ばないですよね。
いかがでしたか?まだまだ魅力的なワインが会場にはたくさんあります。
レアなワインも試せる「祭」が6月9日(月)まで開催されています。ぜひ一度訪れて、様々なワインにチャレンジしてみてはいかがでしょう?