こんにちは。
先日10月16日(木)に大阪で開催されたワイン・日本酒企業 全68社が集結する西日本最大級の試飲商談会「WINE&SAKE KANSAI 2025」に行ってきました。
こちら日本酒蔵元14社が初参加で、料飲店・酒類業界関係者限定ながら約1,000名の業界関係者が一堂に会する一大イベントです。多くのワインインポーターさんを初め、日本ワインパビリオンもあり、別会場では様々な日本酒の蔵元さんもブースを構えています。
最新の業界のトレンドなど色々教えていただけましたので、2回に分けて様子をレポートしていきます。今回は「日本ワインパビリオン」にフォーカスし、皆様に飲んでいただきたい個性的なワインを中心に紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。

目次
日本ソムリエ協会の会長さんからのシャンパンで乾杯!

会場に到着すると会場マップとグラス、グラスホルダーをいただけました。飲みながらメモも取れるのでありがたいです。
会場に到着するとすぐに日本ソムリエ協会によるオープニングイベントがあり、ナイフでシャンパンを開けるパフォーマンスをされていました。
パフォーマンスで開けたシャンパンを、なんと日本ソムリエ協会の会長さんに注いでいただきました。
乾杯!ありがたくいただきます。

14種類ものブドウを栽培する「ドメーヌ・ボー」@富山県

日本のワインと言えば「甲州」や「マスカット・ベーリーA」が代表的なブドウ品種ですが、富山県にあるドメーヌ・ボーはなんと14種類もの品種を栽培しており、日本ではあまり栽培されていない欧州系のブドウで作るワインも多く扱っていました。
「立野原ゲヴェルツトラミネール2024」も日本での生産がレアな品種です。
ゲヴェルツトラミネールという品種は冷涼な気候で栽培されるブドウで、日本は温暖で湿度高過ぎるため病虫害が発生しやすいのです。
しかし農薬をなるべく少なくするため、虫がついたらすぐ対処する等、日々のメンテナンスを欠かさずブドウを栽培しているのだとか。
香りはゲヴェルツトラミネールらしい華やかでアロマティックながら味わいはシャープ、特徴がわかりやすく飲みやすいので、普段ワインを飲まない方にもぜひ一度試して欲しい品種です。
「リースリング」はフルーティーさ高く、リンゴや白桃のような香りが最高です。ミネラルや塩味も非常にしっかりとしていました。
「立野原ナンサンブル2024」はメルロー、シラー、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランを使用した珍しいロゼワインです。ブドウのプレス(圧搾して果汁を絞る)段階から複数の品種を混ぜて作られており、品種によって最適な収穫時期は異なるのですが、収穫時期を調整しているそうです。
14品種ものブドウを栽培しているから生産できる、世界的にも珍しいワインです。

「ピノ・ノワール」はブラウンの色味が特徴で、樽で1年熟成しているため熟成感が強く、良いビンテージのワインとのことで楽しみです。
こちらも香りが強いです!不思議と日本で作られるワインは出汁感というか醤油のような和な香りやニュアンスが感じられます。味わいは辛口でタンニンがしっかりしておりピノ・ノワールとは思えないポテンシャルがありました。
「プチ・ヴェルド」は色がしっかり紫がかっており、土のような香りが特徴的で味わいはドライです。「シラー」は淡い色合いと味わいで、胡椒感と旨みが強いので、こちらも鶏肉や豚肉を使用したしっかり系の和食にもピッタリ合いそうです。
ドメーヌ・ボーのワインはどれも個性的で、本当に素晴らしかったです!
トレボー株式会社tresbeau.co.jp
優しすぎるメルローに癒される「井筒ワイン」@長野県 塩尻市

「井筒ワイン」は長野県塩尻市というブドウ生産が盛んで、多くのワイナリーが集う場所にあります。
「メルロー」や「ナイヤガラ」が代表的な品種ですが、栽培するブドウ品種の幅が広がってきているそう。
井筒ワインの「ソーヴィニョンブラン」を初めて飲んでみると、ハーブ感や清涼感、苦味がしっかりした味わいで、ニュージーランド産のパッションフルーツのような味わいというよりフランス産に近い印象です。
「シラー」も最近生産量が増えてきた品種で、色は淡く香りも甘め、酸味がしっかりした味わいで、フランスのローヌ地方のシラー(色がしっかり紫がかっており甘みは控えめ)とは全く別物でした。
「メルロー」をいただくと優しさに驚きました!ふくよかでまろみがあり、思わず気持ちが和らいでしまいます。やはり塩尻の土壌や気象条件はメルローとの相性が良いのでしょうね。甘いものとも相性が良さそうです。
「カベルネソーヴィニョン」はこの品種らしくない淡めの色調で、タンニンも強すぎず良いバランスです。良い意味で日本らしい、和食にも合わせやすい優しさがありました。
「マスカット・ベーリーA」も非常にクオリティが高いです。マスカット・ベーリーAは甘い香りとライトな味わいになる傾向がありますが、こちらは甘すぎる感じもなく味わいもしっかりしていながら1720円とリーズナブルな価格に驚きました。
http://www.izutsuwine.co.jp/
関西初出展!「上ノ国ワイナリー」@北海道 函館

「上ノ国ワイナリー」は関西初出展のワイナリーです。場所は北海道の函館近くで、近年は温暖化の影響で北海道でも様々な品種が育つようになってきたため色々チャレンジしているとのことです。
「上の白 ナイアガラ」(スパークリング)は2022年と2023年を飲み比べしました。2022年の方が明らかに香り強く、独特のマスカットフレーバーが漂ってきますが、微発泡でスッキリとした味わいです。一方、2023年は香りが穏やかですが味わいは後味にオリ感がしっかりです。(オリという酵母の死骸で、味わいに深みがある感じ)
製法は同じですが、1年でここまで香りと味わいが異なるのに驚きました。
シャンパーニュの一流ワイナリーは毎年同じ味わいでブランド化されていますが、それを実現できるのは異なる年・品種のブドウを最適に調合しているからです。その凄技に改めて気付かされました。
「上の紅 -KURENAI-」は山梨県産「メルロー」と「北杜の雫」という品種をブレンドしたワイン、複雑味のある味わいです。
香りは酸味と独特の出汁感が感じられ、味わいも酸味が強いのが特徴的です。なかなか面白いワインに出会うことが出来ました。
https://kaminokuni-winery.jp/
山幸生誕の地・寒さ厳しい「十勝ワイン」@北海道 池田町

同じく北海道の「十勝ワイン」ブースもありました。こちらは北海道の池田町にあるワイナリーで、「山幸」という品種が開発された場所です。
「山幸」は北海道の寒さに耐えられる耐寒性が強い品種です。池田はマイナス10度にもなるブドウには厳しい環境のため、栽培する際は土を被せる等の労力がかかります。その作業をしなくても栽培できるのが特徴です。
「清見」というブドウに山ブドウを交配させて誕生した品種で、知識として知ってはいたのですが初めて飲んでみます。
香りは山ブドウのような野生味やスパイシーみがあり、味わいも独特です。酸味があり他では飲んだことの無い独特のニュアンス・クセがしっかりしており、ジビエやモツ煮込みなどクセのあるお肉料理と合いそうです。
同じ「山幸」で作られたスパークリングワインは、まったく異なる味わいで紹興酒やシェリーのような独特の酸味が印象的でした。
こちらでもまた面白いワインが発見出来て嬉しいです!
https://www.tokachi-wine.com/list/detail/39.html
滞在できるワイナリー「NIKI ヒルズワイナリー」@北海道 仁木町

また北海道の「NIKI ヒルズワイナリー」は近年注目されている産地、余市・仁木町にあるワイナリーです。
「バッカス」というブドウ品種100%で作ったワインをいただきました。リンゴや梨のようなフルーツ感もありますが、味わいは甘めで微発泡、独特の旨みを感じる複雑で独特なワインでした。
北海道でワイン用ブドウ生産が始まった当初は、同じく冷涼な気候のドイツをお手本とし、ドイツでよく育てられている品種(バッカスやケルナー)を栽培したそうです。しかし近年は温暖化が進み、バッカス、ケルナーの栽培が厳しくなってきているとのこと。
北海道産のバッカスで作られるワインにはこの先出会えないかもしれないと思うと、悲しい限りです…
「ピノ・ノワール」は樽感が効いており繊細なニュアンス、リリースしたらすぐに売り切れてしまうほどの人気商品だそうです。
「ツヴァイゲルト」は酸味がしっかりしており、このワイナリーならではの味わいです。
NIKI ヒルズワイナリーの特徴である北斗七星のマークは、「3つ星の上を目指そう」という気持ちが込められているそうです。
こちらのワイナリーはブドウ畑の近くにホテルも構えており、仁木町の雄大な自然を感じられる体験や醸造所内の見学ツアーなどが楽しめる場所です。
https://nikihills.co.jp/
いかがでしたか?日本のワインも近年非常に品質が上がってきており、ブドウ品種も多様になっています。
ただ、どこのブースでも「温暖化の影響で栽培できるブドウ品種が変わってきている」という話を聞きました。山梨県が日本におけるワイン産地のトップですが、いずれ山梨はブドウ栽培には暑すぎて北海道などが最も適した産地になるのかもしれません。
心配しつつ、このイベントでは日本酒も海外のワインも個性的で美味しいものが多くありましたので、次回も引き続き紹介していきます。
