本来は果汁だけを発酵させる白ワイン用ぶどうを、赤ワインのように果汁と果皮や種子を一緒に発酵させて造るオレンジワイン。もともとはワイン発祥の地であるジョージア(旧グルジア)で造られていたワインですが、実は日本にも世界に認められたオレンジワインがあるんです!
今回は、そんな世界に誇る日本のオレンジワイン、「シャトー・メルシャン 笛吹甲州 グリ・ド・グリ2019」をご紹介します。
目次
「IWC2021で金賞」のスゴさ
「シャトー・メルシャン 笛吹甲州 グリ・ド・グリ2019」は、名前の通りに山梨県笛吹市で収穫された甲州を100%使用したオレンジワインです。発酵はステンレスタンクおよびオーク樽にて25~28度で約10~30日間、オーク樽にて20~22度で約10日間。育成は、オーク樽およびステンレスタンクにて約4カ月間されています。
2021年には、国際的に権威のある「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」にて金賞を受賞。インターナショナル・ワイン・チャレンジは、産地や名称を伏せた状態で、最低でも8人の審査員によって公平にテイスティングされています。金賞は、95~100点の高得点ワインに与えられる賞で、「シャトー・メルシャン 笛吹甲州 グリ・ド・グリ2019」は、この年に金賞を受賞した唯一の日本ワインとなりました。
ジョージアやイタリアで盛んにつくられているオレンジワインですが、実はジョージア以外で金賞を受賞したワインはありませんでした。
産地を知らない審査員たちが、純粋に優れたオレンジワインとして評価したのが、この「シャトー・メルシャン 笛吹甲州 グリ・ド・グリ2019」です。
少し赤味のある、美しいオレンジ色です。
そんなスゴいワインですが、実は受賞直後に1本3000円以下で購入していました。そんなコストパフォーマンスもスゴい! ワインです。
焼き鳥と楽しんでみた
前回このワインを飲んだ時、絶対に合うだろうと思った焼き鳥とあわせてみました。
焼き鳥は、地元浅草にある「鳥きち」のテイクアウトです。焼き鳥はタレで、ししとうとしいたけは塩で頼みました。
リンゴのコンポートと表現される香りは、黄色い果実味やはちみつ、バラのような甘い香りもあり、華やかさやふくよかさを感じます。白ワインの甲州からは感じられない味わいやタンニンが複雑さとして感じられ、後味に甲州らしいほのかな苦味があります。甘いけどあっさりしたタレの焼き鳥との相性が良かっただけではなく、ししとうの苦味にもピッタリでした。
写真には撮りませんでしたが、ふと思い立ってナポリタン(市販のソース)とも合わせてみたところ、少し甘くてトマトの酸味のあるソースに、このワインがぴったりでした。日本人の味覚に合うオレンジワインだと実感です。
現在、KIRINの公式オンラインショップ「DRINX」では、2019年ヴィンテージも含めて「シャトー・メルシャン 笛吹甲州 グリ・ド・グリ」は売り切れているようです。ヴィンテージにこだわらなければ、取り扱いのある小売店やオンラインショップで入手できます。気軽に楽しめる世界レベルのオレンジワインを、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。