ワインツーリズムにも力を入れていて、観光地化されているボルドーは、一般の方でも有名シャトーの見学が可能だったり、近年オープンしたシテ・デュ・ヴァンというワインの総合的な博物館もあり、ワイン文化に触れて楽しめること間違いなしです。
目次
ボルドーってどんなところ?
ボルドーはガロンヌ川沿いの港湾都市で、パリからは南西に500km高速鉄道TGVに乗って約2時間で到着します。ボルドーの市街地に接した港はその形から月の港と呼ばれています。
ボルドーの市街区域は2007年、ユネスコの世界遺産に登録され、沢山の観光客で賑わっています。
18世紀の建造物など由緒ある街並みをきちんと残しながら、観光に便利なトラムが整備されて、歴史ある街並みの中で近代化が進んでいます。
2016年には画期的なワイン博物館「ラ・シテ・デュ・ヴァン」がオープンしました。世界中のワインを、歴史、文化的な視点から紹介するこの施設は、すでに街の顔となっています。
海洋性気候で、海から吹く風の影響で比較的温度が安定していて、冬はあたたかく、降雨が頻繁にあり、湿度が高めです。秋が長いのも特徴のひとつで、晩熟のブドウ栽培に適しています。
オススメ観光スポット
シテ・デュ・ヴァン
ボルドーだけではなく、世界中のワインについて様々な角度から学べるワイン博物館シテ・デュ・ヴァンは、大人も子供も楽しめるスポットです。
展示方法が非常にユニークで、プロジェクションマッピングで、マリアージュについて学び、生産者の映像でテロワールについて学び、そしてガラスケースの中にコーヒーや、鉛筆などテイスティングの表現で使われるものが実際に入ったガラスケースがあり、そこから匂いを嗅いで、香りについても学べます。
最後には地上35mの最上階展望フロアへ。眺望を楽しみつつ、最後のお楽しみで20種類ほどのワインの試飲が出来ます。
学んだ後のワインはまたさらに美味しく感じられます。
郷土料理と相性のいいワイン
伝統的なボルドーの料理をご紹介します。ボルドーワインと合わせてみてください。
アルカッションの牡蠣
フランスの高級避暑地アルカッションの港では牡蠣の養殖が盛んです。
古代より天然の牡蠣がとれましたが1970年の疫病で全滅し、日本の真牡蠣を輸入し養殖しています。
カップ=フェレの柑橘類を思わせる繊細な香り、バン・ダルガンのミルキーで甘い味わい、イル・デ・ゾワゾーのハーブやミネラルの豊かな香りなど、様々な特徴をもつアルカションの牡蠣は、育成期に大量に質の高いプランクトンやヨウ素を摂取できる環境にあります。マレンヌ=オレロンのように最後にクレールで熟成した薄い緑色の牡蠣も高く評価されています。
アントル・ドゥ・メールや、グラーヴの白ワインと合わせて楽しみましょう。
ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ
ヤツメウナギの赤ワイン煮込みです。ヤツメウナギは見た目がウナギに似ていますが、まったくの別物です。もはや魚でも無く、古代生物の脊椎動物「生きた化石」と呼ばれています。見た目はグロテスクですが、味わいは非常に美味で、レストランでもあっという間に売り切れます。2月~5月が旬で、滋養強壮によく、非常に高価な食材です。
ヤツメウナギの赤ワイン煮込みは一般的には、サンテミリオンやポムロールの赤ワインと合わせます。
アントルコート・ア・ラ・ボルドレーズ
牛肉のリブの部分にあたるアントルコートを、ブドウの蔓や枝を燃やして焼き上げます。
このステーキに、ソース・ボルドレーズといって牛の骨髄やフォン、エシャロットや赤ワインを煮込んだ濃厚なソースをかけます。近郊で採れるセップ茸をソテーにして添えられていることもあります。メドックやグラーヴの赤ワインと合わせて楽しみましょう。
アニョー・ド・ポイヤック
18世紀にピレネー東部の羊飼いたちがメドックのブドウ畑の方で冬を越そうと上って来たときに、ブドウ畑に彼らの羊を放したのが、ポイヤックの仔羊の始まりです。
母乳で飼育されているポイヤックの仔羊は、最大で75日飼育されたものです。肉質は滑らかで、きれいな発色をしていて、非常に繊細な味わいです。
近年は生産者が減って、飼育数も減ってきていて希少な仔羊です。
セオリー通りに同郷のポイヤックの赤ワインと合わせてみるのもいいですが、繊細な肉質の仔羊をレアに仕上げたものにはボルドー・クレレをオススメします。クレレは一般的なロゼよりも色合いが濃く、味わいも深みがあります。
カヌレ
ボルドーの伝統的な焼き菓子です。ワインの澱を取り除くために、鶏卵の卵白を使用するため、卵黄だけ余ってしまいます。その利用法としてボルドー女子修道院で作られはじめて広まりました。蜜蝋を入れることと、カヌレ型で焼くことが特徴です。カヌレは、「溝のついた」という意味があります。外側は黒めの焼き色が付いて固く香ばしく、内側はしっとりとして柔らかい食感です。
ボルドーでは伝統的なカヌレを保存するための同業組合も作られ、600以上の製造業者がいます。こちらは甘口白ワインのソーテルヌと合わせてみましょう。
オススメ絶品ビストロ
ニューヨークタイムズが選ぶ世界一美味しいビストロの2位にも選ばれたことのある絶品ビストロをご紹介します。
ラ・チュピナ
ボルドーの老舗ビストロは、素朴で温かいボルドーの田舎料理を得意とするビストロです。
オーナーのジャン・ピエール=ジラダキさんは、地元ボルドーのテレビチャンネルを持つなど、地元の有名人だそうです。
シラク元大統領のお気に入りビストロとしても有名です。
店内は、薪を燃やした釜があり、伝統的な調理器具が壁に飾られていたり、とてもいい雰囲気です。
お料理は、仔羊の煮込みと、プリンを注文。量もたっぷりで、ガツンと美味しい。そして少し濃いめの味付けはワインによく合います。
ボルドーワインは、一昔前は安価なボルドーワインは品質の低いものが多かったですが、今は技術の進歩によって、安価なワインでもエレガントで美味しいワインが増えていますね。
それにしても、シテ・デュ・ヴァンはボルドーを訪れるなら必ず訪れて欲しいスポットです。
こんなに観光客にオープンなワイン都市が増えて欲しいものです。
楽しいワインライフをお過ごしください。