ワインは、食事と合わせて楽しむこともできるお酒です。このため、「料理との相性」が非常に重要視されます。
これを考えるキーワードとなるのが、「マリアージュ」という表現です。
目次
マリアージュとは何か
「マリアージュ」とは、簡単に説明するのであれば、「2つを掛け合わせることによって、優れた味わいになるだけでなく、お互いの味やかぐわしい香りをさらに引き立てることができるもの」となります。
食事とワインを合わせることで、お互いがよりおいしくなる組み合わせを指すのです。
ただ、料理もワインも無数にあります。そのなかから徒手空拳でマリアージュである組み合わせを選び抜くのは非常に難しいといえます。そのため、「マリアージュの基本」として、以下のようなポイントがよく取り上げられます。
1.色が似ているもの同士を組み合わせる
赤ワインならば牛肉、白ワインならば魚介類などのような合わせ方です。これはかなり分かりやすく、慣れていない人でも迷いにくいでしょう。
2.味が似ているもの同士を組み合わせる
濃い肉料理ならば濃い赤ワインを、さっぱりとした料理ならばさっぱりとした白ワインを……という合わせ方です。このような組み合わせを意識した場合、「正解」にたどり着きやすくなります。ただ、料理とお酒の味をある程度把握しておかなければなりません。
3.産地が同じもの同士を合わせる
フランスのワインならばフランスのチーズを、イタリアのワインならばイタリアの郷土料理を……などの合わせ方です。1や2も合わせて考慮するとより良いでしょう。
4.対局の味わいにあるものを合わせる
最後に紹介するのは、少しテクニックがいるものです。これは「あえて味わいのまったく異なるもの」を合わせるやり方です。代表的なものとして、ブルーチーズ(塩味が強い)に貴腐ワイン(甘味が強い)を合わせるやり方があります。
お酒と料理の特性をしっかりと把握していなければできないやり方だといえます。
実際に試してみよう「シャト-・ラフィット・モンティーユ」と牛肉のステーキ
ここからは実際に試していきましょう。
今回取り上げるワインは、「シャト-・ラフィット・モンティーユ」です。カベルネ・ソーヴィニヨン40パーセントとメルロー60パーセントから構成されているもので、フランスのボルドーを故郷とします。スイス人のオーナーによって経営されているワイナリーで生まれるこのワインは、えんぴつの芯やスパイス香、カシスの香りをまといます。この3つが非常に感じ取りやすく、特にカシスの香りはあまりワインに慣れていない人でもしっかりと感じ取れるものでしょう。
タンニンはしっかりしていますが、重すぎることはなく、柔らかな味わいに仕上がっています。
合わせるのは、牛肉のステーキです。焼き方としてはレア~ミディアムレアくらいが適しているでしょう。ステーキはよくソースを使いますが、「シャト-・ラフィット・モンティーユ」に合わせるのであれば、ソースは使わず、シンプルに塩でまとめた方が調和がとれやすくなります。
シャト-・ラフィット・モンティーユがステーキのシンプルな味わいに、新たな香りを付け加えてくれます。またステーキのしっかりした旨味がワインと調和し、ボリュームアップを図るとともに野性味を出してくれる組み合わせとなります。食事も進みますし、ワインも杯を重ねたくなるでしょう。
ステーキは厚いものを選ぶ必要はありません。比較的薄めのステーキであっても、このマリアージュは楽しむことができます。
ワインはある程度温度が高い方が良いでしょう。16度~18度くらいが良いかと思われます。冷え切った状態だと、少し違和感があるでしょう。
今回はシャト-・ラフィット・モンティーユと牛肉のステーキを合わせましたが、これが唯一の正解というわけではありません。いろいろ試してみて、自分にとってベストの組み合わせを見つけてくださいね。