突然ですが、「虹は何色(なにいろ/なんしょく)ですか?」
「なないろの虹」「7色」。多くの方がそう答えてくださるのではないでしょうか。赤・橙・黃・緑・青・藍・紫の順番で並んでいると理科の授業でも教わりました。
世界中の人々が虹を7色と数えると信じていましたが、アフリカのとある部族では8色、アメリカでは6色、ドイツでは5色、南アジアのバイカ族は赤と黒の2色と数えるそうです。
「出現する虹の色が国ごとに違うのか?」といえば、そうではありませんよね。
実際に見えている色の違いではなく、その色を表現する「言葉が存在するのか、しないのか」で異なるということなのです。
目次
〜「赤」とはいったいどんな色〜
スーパーマーケットのお酒売り場でも、ワインは「赤ワイン」「白ワイン」「ロゼワイン」と、色ごとに品列されているのを目にします。私たちは日常的にワインの種類を色で分類していますが、「赤」とはどのような色なのでしょうか。
赤(日)、Red(英)、Rouge(仏)、Rooso(伊)、紅(中)。言語は違ってもこれらは共通して青みも黄みも感じられない純粋な「赤」を示すそうです。そして、人はこれまでの人生で最も目にした「赤に近い色」がその人にとっての「赤」の基準になるとも言われています。さて、貴方の人生で一番多く出会った「赤」はどんな赤色ですか?
〜赤ワインの「赤」とはどんな色〜
グラスに注いだ赤ワインを見て、「この前飲んだ赤ワインと色が違うな。」と感じたことはありませんか?
赤ワインの外観を表す代表的な色の名前が2つあります。宝石の名前である「ルビー」と「ガーネット」です。歴史上ワインが高貴な飲み物であり、グラスに注ぐと神秘の輝きを放つことから例えられたのでしょうか。なんともロマンある色合いに感じますね。では、この2つの色ははどんな「赤」のことをいうのでしょう。
◆ルビー(Ruby)=鮮かな紫みの赤
名前の由来はラテン語の「赤」を意味する「Rubeus」、赤い色の石の総称です。
赤ワインの表現では”紫色を残した赤い色調、明るい色調のもの”を言います。
◆ガーネット(Garnet)=暗い黄みがかった赤
名前の由来はラテン語のざくろを意味する「Grnatum」、熟したざくろの実の粒が宝石のガーネットに似ていることが語源です。
赤ワインの表現では”ルビーよりも熟成が進んで紫色が抜けた状態、黒みを帯びた暗い色”を言います。
その他、世界には赤ワインの色から誕生した色の名前もあります。
◆ワインレッド(英:wine red)=濃い紫みの赤
英語圏では1705年から使用されている長い歴史のある名前です。赤ワインの色はその生産地によって異なりますが、一般的な赤ワインの色を表現します。
◆ボルドー(仏:Bordeaux)=ごく暗い赤
ワインの女王と呼ばれるフランス南西部のボルドー地方で作られる赤ワインの色のことです。
ボルドーの港から船積みされる赤ワインの色として国際的に通用する色の名前になったのは19世紀になってからです。
◆バーガンディー(英:Burgundy、仏:Bourgogne)=ごく暗い紫みの赤
1915年に色の名前が誕生しました。ワインの王様と言われるフランス東部ブルゴーニュ地方で作られる赤ワインの色のことですが、ブルゴーニュワインは総じて明るく鮮やかな赤色をしています。
ガーネットやバーガンディーのように、「工業的に使用される色の名前」と「ワインを表現する色の名前」とが矛盾しているというのは面白いですよね。
〜日本の色の名前いろいろ〜
日本の伝統的な色の中にも「ワインの赤」を表現できそうなたくさんの色の名前があります。
真紅(しんく)、葡萄茶(えびちゃ)、茜色(あかねいろ)、燕脂(えんじ)、蘇芳(すおう)、深緋(ふかひ)。まさに美しさの微妙な違いを的確に捉えて楽しむ日本人の繊細な感覚が現れています。
お気に入りの赤ワインと出会った時、その色を「赤」以外の別の名前で表現するのも楽しいですね。言葉の引き出しが増えると会話も広がり、日常で飲むワインもより美味しく豊かに感じられるような気がします。
〜お供には...キャラメル色のチーズ”Gjetost-イエトスト”〜
鮮やかな赤色のパッケージが印象的なこちら。”SKI QUEEN”とは商品名で、チーズの名称は”イエトスト”と言います。ノルウェー語でイェトは山羊、オストはチーズ。その名の通り山羊乳製のチーズです。
チーズというと黄色味がかった乳白色を思い浮かべますが、こちらは明らかに茶褐色。チーズというよりもお菓子のキャラメルを連想させる色合いをしています。ねっとりとした質感で塩味が効いている分、濃縮された乳の甘みが感じられる味わいです。原産地のノルウェーではスライスしたイエトオストをパンにのせて、ブラックコーヒーと共に朝食にするのだとか。お酒よりもコーヒーやお茶に合うとチーズと紹介されることが多いのも納得してしまいます。
少しだけアレンジを加えるとぐっとお酒のお供に近づいてくれますよ。「ちょっと変わったチーズを食べてみたいな。」と好奇心が湧いた際に、ぜひお試しください。
材料と分量
・クラッカー:4枚
・はちみつ:小さじ4
・イエトオスト:4かけ
・ピンクペッパー:8粒
作り方
1)クラッカーにはちみつを塗り、カットしたイエトオストをのせます。
2)ピンクペッパーを飾ります。
全粒粉のクラッカーに、ほのかに苦味が感じられ乳製品との相性が良いコーヒーの花のはちみつを合わせました。ワインはチョコレートやコーヒーの香りが感じられるオーストラリアのシラーズはいかがでしょうか?