チリ最大手コンチャ・イ・トロが手掛ける、ローソン限定品《カーサ・スベルカソー》。きょうは《カベルネ・ソーヴィニヨン2019》を開詮。フランス・ボルドー地方が原産のカベルネ・ソーヴィニヨンは、豊富なタンニンが特徴。しっかりとした骨格あるワインを生みだします。
あざやかな赤紫色に鼻をツンと刺すような、なめし皮の香り。グラスを伝うしずく跡が濃厚さを物語ります。ひとつ残念なのが、品種由来のゆたかなタンニンが、料理やつまみの〝雑味〟となりかねない点。なぜならその質感が、喉にひっかかりを覚えるほど、とげとげしく尖っているからです。
たとえば、つまみの定番「ピーナッツ」。やさしい甘みとまろやかなコクが魅力。しかしこのワインと合わせると、舌が、ピーナッツの〝渋皮〟をいっしょに食べているかのような、渋みと苦みに侵されるのです。
《カーサ・スベルカソー/カベルネ・ソーヴィニヨン2019》はカジュアルなチリワインでありながら、一流ボルドーを彷彿とさせるエレガントな果実味。〝剣山(けんざん)〟のようなタンニンが、高級〝猪毛ブラシ〟のような硬くもコシのあるしなやかさとなれば、きっと同価格帯のワインとは一線を画す存在に。今後の改善に期待します。