今回は、旅先のスペインでお呼ばれした時に飲んだワインがとてもおいしかったので、紹介します。円に換算すると1000円以下なのに熟成されたレセルバワインです。
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DO.SOMONTANO(ソモンタノ)ってどこ?
ワイン名は「Llanto de uva」(ジャント・デ・ウバ)。日本語に訳すとぶどうの号泣。ちょっと「え?」と思うネーミングですね。どういう意図でつけられたワイン名なのか、個人的に興味があります。このワインの産地はDO.SOMONTANO(ソモンタノ)。DO.というのはスペインの原産地呼称で、よく知られているところでいうとフランスのAOPに値するものです。ソモンタノはスペインの北東部アラゴン州にあります。海に面さないピレネー山脈の麓に立地します。
年間450mm以下の降雨量、300日以上の晴天日。寒暖の差が激しい内陸性気候です。ワインのブドウ栽培に適した場所のひとつです。
RESERBA(レセルバ)とは?
エチケットに金色で大きく描かれている「RESERVA」(レセルバ)。これはスペインワインの大事なポイントです。スペインワインの熟成のカテゴリーに関わります。赤、白、ロゼで熟成期間が異なりますが、今回は赤ワインの熟成度別カテゴリーについてお伝えします。
スペインワインで、熟成のないものはエチケットには大抵何も書かれていませんが、カテゴリー分けするならば「JOVEN」(ホベン)。熟成ワインは、CRIANZA(クリアンサ)が樽で6カ月以上熟成させたワイン。その次に熟成期間が長いものがRESERVA(レセルバ)。12カ月樽で熟成、その後瓶で24カ月熟成させたもの。最も熟成期間が長いワインがGRAN RESERVA(グラン・レセルバ)。18ヵ月樽で熟成、42カ月以上瓶で熟成させたものです。
よってこのワイン「Llanto de uva」(ジャント・デ・ウバ)は12カ月以上樽で熟成させ、24カ月以上瓶で熟成させたワインです。
スペインならではのブレンドが魅力
「Llanto de uva」(ジャント・デ・ウバ)は、スペインでは珍しくないブレンドのワインです。スペインの伝統的な品種「テンプラニーリョ」とカベルネ・ソーヴィニョン、シラーのブレンドです。カベルネが最も多く含まれているようです。クローブ、コショウのようなスパイスの香り、熟したチェリーのような香り、バニラ、ウッド系の複雑な香りがします。タンニンが柔らかでエレガント。さすがレセルバワイン。なんとこのワイン、スーパーで5ユーロ(約800円)で購入できるんです。飲んでも絶対そんな風に思えないコスパ高ワインです。