SO2って何か知っていますか?ワインの酸化を防止する添加物です。近年人気のオーガニックやナチュラルワインには、SO2無添加のワインも多いです。最近飲んでおいしかったSO2無添加の赤ワインをご紹介します。
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SO2って何?
SO2とは二酸化硫黄のこと。ワインの醸造で使用され、バクテリアの繁殖を抑えたり、酸化を防止し、ワインの品質の安定に欠かせないとされてきました。ところが近年は、多量のSO2による健康への害も認められ、ワインの裏ラベルにもSO2を含む旨を記載しなければなりません。
科学的根拠はないようですが、ワインの飲みすぎによる頭痛はSO2によるものと言われることも。実際には、ワインに含まれるSO2は微量なので、人体に大きな影響を及ぼすことはないそうです。
とはいえアレルギーのある方や、普段からナチュラルな食品をとることにしている方には気になるところ。最近のナチュラルブームもあり、SO2無添加のワインも市場に多くでてきました。
SO2無添加のワインはおいしい?
私がスペインのソムリエ学校に通っていたときに学んだ醸造家の講師は、「SO2なしでおいしいワインができるわけがない!」と言っていました。今から20年近く前なのですが、当時はまだオーガニックは流行ではありませんでした。また、スペインの田舎では自宅でワインを作る人もいるので、そういった素人が作るワインのようだと捉えられていたようです。
ナチュラルブームの当初は、SO2無添加のナチュラルワインも市場に一気に出ましたが、“ナチュラル”という名のもと、ただ単に手をかけていないだけでは?と思われるようなワインも多かったです。どれも同じような風味がするといった特徴もありました。
その頃からどんどん改良が重ねられ、SO2無添加のワインでも個性があり、品質も保たれた素晴らしいワインがとても増えました。
熟したベリーのような風味とタンニンの柔らかさが魅力!スペイン発SO2無添加ワイン
私は特にオーガニックにこだわりがないのですが、偶然みつけたSO2無添加の赤ワインがとてもおいしかったので、自分のショップで販売用に購入してみました。名前は「レ・ナチュレル」。裏ラベルには日本語で酸化防止剤(亜硫酸塩)添加とありますが、その上にスペイン語では無添加と書かれているのがちょっと不思議。生産者が無添加と書いているので無添加と信じたいと思います。
スペイン北部ナバーラ州が醸造地で、ガルナチャ種100%。しっかりとした酸味ととても熟したラズベリーやブラックベリーのようなフルーティーさ、すみれのようなフローラルさが特徴です。タンニンがまろやかで全体的にふくよかな印象。私のワインセラーで約1年寝かせましたが、欠点どころかさらにおいしくなっています。SO2なしでこんなに品質が安定し、ガルナチャの特色をいかしたおいしワインができるんだ!と驚きました。今後ますます高品質なSO2無添加ワインは増えていく気がします。