スパイストラム(SPICED RUM)は糖蜜やサトウキビの搾り汁などを原料とした蒸留酒、ラムの一種で、様々なスパイスを漬け込んだものでフレーバードラムなどと呼ばれたりもします
基本的に甘い味わいのものが多く、ラムや蒸留酒を普段あまり飲まない、これから始めてみたいという人にもおすすめできるカジュアルなお酒です
今回はインド洋の楽園、モーリシャス島で作られる「ピンクピジョン」をご紹介したいと思います
目次
幸せのピンク色の鳩
商品名のピンクピジョンはモーリシャス島に生息している鳩の一種です
モモイロバトとかモーリシャスバトと呼ばれたりしていますね
その名の通り体の一部がピンク色になっており非常に可愛らしい姿をしています
一時は絶滅の危機に瀕していましたが、保護活動のおかげで個体数は増加しているようです
モーリシャス島に昔からすむ人々からは崇拝の対象とされていたりと、特別な存在だったみたいですね
ブルボンバニラ
スパイストラムといえば多くの商品でバニラが使われており、その甘い香りが魅力の一つです
バニラは有名な品種として「タヒチバニラ」と「ブルボンバニラ」があり、ピンクピジョンではブルボンバニラが使われています
理由の一つとして、モーリシャス島に程近い場所にある「レ・ユニオン島」というところで栽培されているバニラは世界最高品質と言われているのです
ピンクピジョンの味
さて、気になる味と香りです
スパイストラムは糖分が含まれているものが多く、甘い味は魅力的ですが舌触りが少々ベタつきを感じることがあります。リキュールのような感じですね。
ウイスキーなどを普段飲んでいる人からするとある種の「飲みづらさ」があるかもしれません
ピンクピジョンにも糖分(原酒を製造しているメーカーのこだわりのシロップ)が含まれていますが、ベタつきはあまり感じず上品な舌触りです
使用されるスパイスはバニラの他にも、オレンジピールと蘭の花弁が使われています
バニラ、オレンジピール、蘭の花弁はそれぞれ樽で原酒に漬け込まれています
最終的にブレンドして完成、ブレンドの比率は非公開ですがバニラを漬け込んだ原酒が一番多いようです
なんといってもバニラのフレーバーが素晴らしい!
香水にも使われるブルボンバニラなだけはありますね
そしてバニラの甘い香りをオレンジピールの苦味と控えめな酸味が纏めている印象
そして蘭を漬け込んだ原酒の影響でしょうか。ふわりとしたフローラルな香りを最後に感じます
度数は40%ありますが、さらりとしていてアルコール感も穏やか、ツンとしないのでストレートでスルスルと飲めてしまいます
ストレート以外の飲み方としては、ソーダ割などにしてしまうと濃くも柔らかなフレーバーが薄まってしまうかもしれないので、フルーツ系のカクテルのベースにするかフルーツジュース割りならピンクピジョンの良さを活かして楽しめるかもしれませんね
甘みがあり濃い味わいですが、力強いというよりは繊細さを感じます
モーリシャス島で作られるトラディショナルラム(原料が糖蜜)やアグリコールラム(原料がサトウキビジュース)はフルーティだったり、爽やかなものが多い印象です
ピンクピジョンはスパイストラムですが、やはりモーリシャスのラムらしい軽やかな味わいを感じられます
総評
バニラの上質な甘い香り、オレンジピールと蘭の大人っぽいフレーバー
ベタつきは少なく、贅沢な味と舌触りです
スパイストラムは甘すぎて苦手……という方にもぜひ一度試していただきたいラムです!