赤ワインは、そのまま飲むことを前提としているお酒です。しかしこれを使ったカクテルも数多く存在しています。美しい赤色を讃え、世界中から愛されているこの「赤ワイン」を使ったカクテルを、性格別に3つ紹介します。
目次
ちょっと切ないカクテル言葉を持っている「カーディナル」
【このカクテルを作るのに必要な材料】
赤ワイン90ミリリットル クレーム・ド・カシス10ミリリットル
このカクテルの作り方は非常に簡単で、冷やした2つを混ぜるだけで完成します。「カーディナル」は「枢機卿」という意味を持っています。カトリックの聖職者の位のひとつである枢機卿が、赤いマント(ケープ)をまとっていることからこの名前が付けられたといわれています。
同じような材料を使うものとして、「キール」があります。キールは、赤ワインではなく白ワインを使って作ります。ワインを変えることで、味わいには大きな変化がみられます。
カーディナルは、クレーム・ド・カシスの甘味と酸味が、赤ワインとよく調和します。赤ワインのおいしさを壊すことなく、しかし赤ワインを飲みやすくしてくれます。「赤ワインは比較的好きだけれど、飲みにくい赤ワインは嫌い。買った赤ワインが口に合わない」という人は、ぜひこのカーディナルを作ってみてください。飲みにくい赤ワインをよくサポートしてくれます。
カーディナルの度数は、15パーセント程度です。赤ワインより若干高い傾向にあるものの、ほとんど変わりません。カクテル言葉は少し切なく、「心優しいウソ」というものです。物語のワンシーンなどに出てきそうですね。
カルピスを使った優しい味わい~名前もきれいな「ロマンチックハーモニー」
【このカクテルを作るのに必要な材料】
赤ワイン30ミリリットル カルピス原液で15ミリリットル 水60ミリリットル
写真では混ざってしまっていますが、本来はカルピスの層と赤ワインの層が2つに分かれて出来るカクテルです。カルピスから先に入れて、静かに赤ワインを注ぐことで2層に分けることができます。
赤ワインがカシスのような雰囲気をまとうようになりますが、赤ワインの風味がしっかり生きたカクテルでもあります。カルピスのお陰で、飲みやすく、優しい味わいには仕上がりますが、かなり濃厚なカクテルになるでしょう。味の輪郭がはっきりしており、飲みごたえのあるカクテルでもあります。
かなり「お酒」の風味が強いカクテルであり、飲みやすいながらも主張はしてきます。
美しい名前と愛らしい外見を持った「ロマンチックハーモニー」ですが、これと似たものに、「イレブンバイオレット」というカクテルがあります。こちらの方はワインの分量が少なく、より優しい味わいに仕上がります。しかし、「お酒が好きだし、はっきりとしたものを飲みたい」ということであれば、ロマンチックハーモニーの方がおすすめです。
ウォッカとスイートベルモットを使って作る「マイラ」は刺激的なお味
【このカクテルを作るのに必要な材料】
赤ワイン30ミリリットル ウォッカ15ミリリットル スイートベルモット15ミリリットル
「カーディナル」はお酒を割り代にしているもののフルーティーで飲みやすくなるカクテルであり、「ロマンチックハーモニー」はカルピスで割っているためまろやかな味わいに仕上がるカクテルです。
しかし「マイラ」はまったく方向性が違います。
ウォッカとスイートベルモットという、非常に強く、また主張の強いお酒を使って作るマイラは、とても「お酒的な」カクテルに仕上がります。飲んだ瞬間喉がかっと熱くなるほどです。「飲みやすさ」だけを考えれば、赤ワインの方が飲みやすいでしょう。その意味では、少しハードルの高いものです。
しかしスイートベルモットのおかげで、グリューワインのような風味が漂い、とてもおいしく仕上がります。グローブのような雰囲気を持ち、スパイスやハーブの香りが感じられる個性的なカクテルに仕上がるでしょう。
「赤ワインを飲みやすくする」ではなく、「赤ワインを使ったお酒メニューを楽しむため」に使うとよいカクテルです。ただ、度数はそれほど高くなく、18度程度です。
カクテルにすることで、飲み残した赤ワインも飲み切りやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。