10月18日、茅場町のワインバーAMEにて、宮崎の老舗水産加工物メーカーである「とおくら」の製品を楽しむペアリングイベントが開催されました。主催者は、都内で会社員をしている遠山さん。とおくらは実家だということです。
ワインとのペアリングを楽しもうと思ったのですが、当日は宮崎の焼酎がたくさんそろっており、そちらに心が引かれました。遠山さんも、「地元の食べ方を楽しんでもらいたい」という気持ちがあるとのことでした。
目次
とおくらとは
2025年で創業100年を迎える「とおくら」は、宮崎県日南市にある老舗の水産加工物メーカーです。職人が一枚一枚丁寧に焼き上げ、保存料を使わない品質第一の商品づくりを今も続けています。
国産の魚を使用することで品質や価格の安定を目指し、味付けや水は地元の原料にこだわることで“宮崎の味”を実現しているそうです。
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提供されたフード&宮崎焼酎

提供されたフードの主役は、とおくらの「飫肥天(おび天)」です。見た目は「さつまあげ」ですが、実は別物です。さつまあげと比べて味付けがしっかりしており、遠山さんはその味わいを「甘め」と表現していました。さらに、豆腐を加えることでふわふわとした口当たりが生まれます。味がよく染みやすいのも特徴です。青菜とあえてあるちりめんじゃこもとおくらの製品です。
提供された宮崎焼酎

一緒に楽しんだのは、日南市を中心とした宮崎の焼酎たち。左から、松の露、野うさぎの走り、甕雫、木挽唄、木挽BLUE。私はこの中から3種類をいただきました。
●松の露:松の露酒造(宮崎県日南市)

黄金千貫を使用した、芋の甘みとコクがあり、すっきりとした飲み口。地元で愛される本格芋焼酎です。華やかな香りでクセが弱めで、優しい味わいの飫肥天にぴったりでした。
●木挽唄(こびきうた):京屋酒造(宮崎県日南市)

山芋を使った珍しい焼酎です。アーシーで深みのある香りと、なめらかな口当たりが印象的で、くせになりそうな味わいでした。
●甕雫(かめしずく):京屋酒造(宮崎県日南市)

宮崎紅を使用した芋焼酎です。甕に入った焼酎を柄杓(ひしゃく)で注ぐスタイルで、柄杓からは木の良い香りがしていました。まろやかで上品な甘みがあり、きれいな味わいでスルスルと飲める逸品です。
●野うさぎの走り:黒木本店(宮崎県高鍋町)
長期熟成した米焼酎です。
●木挽BLUE:雲海酒造(宮崎県綾町)
九州産のさつまいもと雲海酒造オリジナルの日向灘黒潮酵母を使用した、現代的な芋焼酎の代表格です。
飫肥天の楽しみ方はいろいろ
今回、お店では宮崎焼酎と一緒に楽しんだ飫肥天。しっかりとした味わいながらも口当たりが優しく、宮崎焼酎のきれいな味わいがとてもよく合いました。
飫肥天のお土産もいただき、遠山さんがおっしゃっていた「地元ではそのままかじって食べていた」というのを参考に、トースターで少し温めて食べてみることに。飫肥天の甘やかさや食感をよりよく楽しめました。この時合わせたのは、熟成感のあるリースリング。ふくよかさのある白ワインにもよく合いました。
おつまみだけではなく、うどんやおでんの具材、おやつなどにも使える「とおくら」の飫肥天。焼酎、日本酒、ワインと、幅広いペアリングの可能性がありそうです。
