ニュージーランド最南端のワイン生産地セントラル・オタゴは、現在世界中の注目を集める産地となっています。その理由とは。
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最南端のワイン生産地
南北に長いニュージーランドの一番下の方にある国際的にも人気の観光地、クイーンズタウン(Queenstown)はウィンター・スポーツのメッカ、世界初の商業バンジージャンプが行われた場所としても有名です。南側にはミルフォードサウンドという、世界遺産にもなっている秘境があり、その起点ともなっている街です。
セントラル・オタゴはその周辺にあるワイン産地。産地としてはニュージーランドの最南端であるとともに、世界の最南端産地でもあります。
海に囲まれたニュージーランドの中で、唯一内陸にある産地であり、標高も産地としては一番高く、気候は冷涼で降雨量も少なく乾燥しています。
南緯45度にあるセントラル・オタゴ、北緯でいうとフランスのブルゴーニュ地方やアメリカのオレゴン州辺りになります。これら3つの産地には共通点があります。それはいずれも世界的なピノ・ノワールの赤ワインを作り出している産地ということです。
栽培適地が限られると言われているピノ・ノワール種。ブルゴーニュ以外での成功はなかなか難しいと言われていましたが、まずアメリカのオレゴン州がその産地として世界的な成功をおさめ、そしていまこのセントラル・オタゴが同様に世界的な注目を集めています。
マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランから造られる白ワインで、一躍世界のスターダムに躍り出たニュージーランド。質の高いピノ・ノワールで再び脚光を浴びることとなった、ニュージーランド屈指の高級ワイン産地がセントラル・オタゴなのです。
アミスフィールド(Amisfield)
セントラル・オタゴには6つのサブ・リージョンがありますが、その中でもクイーンズタウンの市街地に一番近いギブストンというエリアにある、重厚な佇まいのワイナリー。併設のワイナリー・レストランは、地元の素材やオーガニック食材をふんだんに使い、ベスト・ワイナリー・レストランに選ばれたこともあります。
“Grown not made”、良いワインは造るものではなく育まれるものという考えのもとに、自然のままの味わいを生かしたワイン造りを行っています。
ロウバーン・フェリー(Lowburn Ferry)
クロムウェル/ロウバーンというサブ・リージョンにあるワイナリー。2000年創業の比較的新しいワイナリーながら、ファースト・ヴィンテージから国内外にて数々の受賞歴を誇り、その質の高さに専門家からは高い評価を得ている、ピノ・ノワール一筋のワイナリー。
オーナー夫人いわく、世界中にはブルゴーニュをはじめ、数々の著名なピノ・ノワールのワインがあるのは知っているが、興味も試したことも無く、自分たちはあくまでセントラル・オタゴという地が育むピノ・ノワールを、素直に表現していくだけだとおっしゃっていました。
リッポン・ヴィンヤード(Rippon Vineyard)
セントラル・オタゴの一番北側、さらに標高の高いワナカ湖の畔にあるワイナリー。高台にあるワイナリーからはワナカ湖を一望でき、湖に向かう斜面にぶどう畑が広がっています。
現在ワイン造りを指揮しているニック・ミルズ氏は、フリースタイル・スキーの元国内チャンピオン。1998年の長野での冬季オリンピックも期待されたが、怪我のため断念。その年にフランスへ渡り、かのドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ他、名だたるワイナリーで修業を積んだという経歴の持ち主。ビオ・ディナミ農法によるぶどう栽培を実践し、ブルゴーニュにも通じるテロワールを表現するナチュラルなワイン造りをしています。
セラー・ドアーでの試飲は予約制で、時間と人数を限定した講義の様な試飲が楽しめます。
ニュージーランドの中心都市オークランドからクイーンズタウンまでは、飛行機で約2時間。クイーンズタウンの空港着陸前の飛行機からの景色は圧巻です!