世界有数の自然派ワインフェア「RAW WINE」が、2026年5月10日(日)・11日(月)に東京流通センター(東京モノレール「流通センター駅」)で開催されます。それに先立ち、4月21日にはリーデル青山本店にてプレスイベントが開催されました。
創業者でマスター・オブ・ワイン(MW)のイザベル・レジュロンさん(アイキャッチ写真右)が登壇され、RAW WINE TOKYOの意義や見どころなどについて語られた内容を紹介します。
目次
RAW WINEとは
RAW WINEは、2012年にロンドンで誕生した自然派ワインの国際的なフェアです。創業者のイザベル・レジュロンさんが立ち上げ、これまでパリ、ベルリン、ニューヨーク、モントリオールなど世界各都市で開催されてきました。世界での開催は今回で59回目。
RAW WINEの参加生産者は、「自然なワインづくりを行う」という共通の哲学を持つ点が特徴です。オーガニック栽培を最低条件として、ビオディナミ農法や、福岡正信氏の自然農法、地域の生物多様性を重視した農法など、各生産者が独自のアプローチで“より自然な栽培”を追求しています。
醸造においても少量の亜硫酸以外の添加物を使用しないことを基本とし、フェアでは使用した亜硫酸量、濾過や清澄の有無などを公開。ワインづくりの透明性を示す取り組みです。現在は約3,000のワイナリーがRAW WINEコミュニティに登録しており、フェアには厳格な基準を満たした生産者のみが参加しています。
なぜ東京で開催するのか
レジュロンさんは、世界的にワイン消費量が減少し、国際情勢の影響で移動が難しくなる中、これだけ多くの生産者が来日すること自体が「大きな成果」だと強調しました。
また、日本は食文化が成熟しており、ナチュラルワイン市場としても世界的に高い評価を受けていると語ります。一方で、日本は自然派ワインを造るには、「非常にチャレンジング」とのこと。雨や寒さ、霜など栽培環境が厳しく、国内生産者の取り組みを支える重要性にも触れました。
RAW WINE TOKYO 2026の見どころ
東京での開催は今年で3回目となり、今回は世界各国から75以上の生産者が来場予定です。イタリア、ジョージア、フランス、オーストラリアなど多様な地域から生産者が集まるほか、日本からも20以上のワイナリーが参加。ドメーヌ・タカヒコをはじめ、国内の自然派ワインづくりを牽引するワイナリーに加え、日本酒および焼酎の生産者が参加します。
開催される2つのマスタークラス
当日は日本独自の視点から「ナチュラルとは何か」について理解を深める2つのマスタークラスを無料で開催します。
●11:00-11:45「日本酒における自然醸造とは」
気候条件によるリスクの大きい日本で、難しいとされるナチュラルな日本酒造り。日本の自然派酒造りの現状と課題を深く理解できるセミナーです。
●15:00-15:45「日本の“ナチュラル”とは」
日本の自然派ワインを語るうえで欠かせない存在として、国内外から高い注目を集めているドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さんなど、日本のナチュラルワインの造り手が登壇するセミナーです。
ドイツ名門ブランド「シュピゲラウ」の新作グラスでの試飲

会場では、リーデルグループのドイツ名門ブランド「シュピゲラウ(SPIEGELAU)」から6月に発表予定の新作グラス“ピノ(Pino)”を用いた試飲体験が楽しめます。
このグラスはドメーヌ・タカヒコの曽我さんの要望もあって開発されたものです。イベントでは、リーデル・ジャパンのウォルフガング・アンギャル代表取締役社長(アイキャッチ写真左)も登壇し、そのグラスの魅力を語りました。
アロマやフレーバーを取りやすいだけではなく、繊細な口元のカーブは首を傾けなくても最後の一滴まで飲みやすい形状とのこと。曽我さんはこのグラスでビールも飲まれているそうです。
「高くない価格」も曽我さんのこだわりで、このグラスは2脚で5,500円(税込)で販売されます。
創業者がすすめる“RAW WINEを楽しむコツ”
レジュロンさんがすすめる、“楽しむコツ”は次の2つです。
●事前準備をしておく
事前にオンラインで公開されている出展者マップを確認し、気になる地域や生産者をいくつか選んでおくことを推奨しています。
●直感も大切に
ただし最も大切なのは、「造り手と目を合わせ、相性を感じた人に話しかけること」。ワインは人と人とのコミュニケーションであり、造り手との対話が体験を豊かにすると語ります。
また、試飲量が多くなるため、スピトン(吐器バケツ)を使って吐き出すことも「文化的に慣れないかもしれないが、フェアを最後まで楽しむために必要」と呼びかけました。
RAW WINE TOKYO 2026開催概要
日時:2026年5月10日(日)・5月11日(月)
午前の部:10:00~13:30
午後の部:14:30~18:00
会場:東京流通センター(TRC)ホールF(東京都大田区平和島6-1-1)
チケット価格:
トレード(業界関係者):7,000円 一般:9,000円
公式サイト:
https://www.rawwine.com/fairs/tokyo-2026?currency=JPY
チケット情報:
https://www.rawwine.com/fairs/tokyo-2026/ticketing-information?currency=JPY
レジュロンさんは、ワイン消費が減少する中での生産者の経済的困難に触れ、自然派ワインの未来について「生産者を支えることが文化としてのワインを守る唯一の道」と強調。オーガニック畑には蝶や鳥が戻り、生命力に満ちた美しい風景が広がるとし、「こうした畑を増やすためにも、私たちが伝え続けることが重要」と、自然派ワインの文化を守るうえでも重要なイベントだと語りました。
今回のプレイベントには、6つの生産者や輸入元がそれぞれのワインや日本酒を持ち寄り、試飲する機会もありました。皆さんから「知ってほしい」「楽しんでもらいたい」という思いが伝わり、会場には終始、心地よい時間が流れていました。この試飲パートについては、別記事で紹介します。
自然派ワインは初心者にも楽しみやすい味わいが多いのが特徴です。造り手の方々やレジュロンさんからも、ワイン愛好家だけではなく幅広い人々に楽しんでもらいたいという思いが伝わってきました。
世界中から自然派ワインの造り手が集まるRAW WINE TOKYO。自然派ワインを楽しむだけではなく、“知る”体験として、その未来を考えるきっかけとしてみてはいかがでしょうか?
