こんにちは。
突然ですが、「これ、本当に米からできてる?」と驚いたのは、デパートの日本酒イベントで何気なく試飲した一杯の日本酒を飲んだ時でした。
華やかな香りとやわらかな甘みと酸味、それまで持っていた日本酒のイメージとはまったく違い、白ワインのような味わいに衝撃を受けました。
そのお酒の名前は「鈿女(うづめ)Relaxation Level2」
三重県にある伊藤酒造の代表銘柄です。以前から一度は訪れてみたいと思っていたのですが、今回ようやく念願が叶い、酒蔵見学に行くことができました。
現地で酒造りの工程を知り、複数の銘柄を試飲するとまた個性的な味わいに驚きました。
今回は伊藤酒造の酒蔵の様子や、あなたに飲んでもらいたい日本酒を紹介していきます。ぜひ「鈿女 Relaxation Level2」を飲んで、味に衝撃を受けてみてください。日本酒の概念が変わること間違いなしです。
目次
👀酒粕だけでも5種類以上!100%酒空間&商品に目移り

蔵の近くには「慕蔵」という古い蔵を活かしたショップがあり、そちらで酒蔵見学の受付が出来ます。
酒蔵見学は1,000円でホームページから事前予約されることをオススメします。
「慕蔵」に足を踏み入れると、なんともステキな空間で驚きました。
もともとはお米を保管していた蔵として使われていた場所で、その後酒造りの拠点となり、2002年に現在の見学・販売スペースへと改装されたそうです。
ただし、単に新しくしたわけではなく、かつての道具や素材を活かした空間づくりが随所に見られます。
例えば階段。

一見すると普通の木の階段ですが、ステップ部分には酒樽の底板が使われています。さらに柱には、圧搾機を支えていた木材の端材が再利用されており、実際に触れると驚くほど重く、しっかりとした強度があります。
かつては2階へ荷物を運ぶための滑車があり、この階段自体も存在していなかったとのこと。
そうした歴史を知ることで、空間そのものに時間の積み重なりを感じることができます。

そしてこちらのショップ、なかなかに販売されている商品のラインナップが多彩です。
日本酒だけでなく、酒粕を中心とした発酵食品が非常に充実しています。
まず驚いたのが、トロトロとした質感の酒粕。
通常の酒粕とは違い、水を加えていないにもかかわらず非常になめらかで、そのままスプーンで食べることもできるほどです。
ヨーグルトに混ぜても良し、お湯で溶かせばすぐに甘酒として楽しめ、使い方の幅も広く酒粕のイメージが変わるような存在でした。
他にもアルコールが控えめで甘酒向きの酒粕や、焼くことで香ばしさが引き立つタイプなど、個性の異なる酒粕が揃っており、その種類に驚かされました。

さらに、1年間冷蔵熟成させた酒粕を使った味噌もあり、旨み成分が大きく増しているのが特徴とのこと。
砂糖にはさとうきび由来のものを使用しており、発酵の深みとやさしい甘さが組み合わさった一品です。
中でも特に珍しかったのが、酒粕を使った「にごり酢」。
大吟醸の酒粕から作られたもので、酸度はバルサミコ酢に近いレベル。料理に使うだけでなく、水で割ってドリンクとして楽しむこともできるというユニークな商品です。
さらに、地元の牛乳を使ったアイスクリームなど、三重県産の素材にこだわった商品も展開されており、単なる酒蔵でなく100%日本酒まみれの魅力的な空間で、酒好きにとってはたまりません。
どれを買って帰ろうか…ステキな商品が多くて目移りしてしまいます!
💧水と米でここまで変わる!酒造りの繊細さ

酒蔵の周辺環境についての話も、とても印象的でした。
この地域は水が非常に豊かで、少し歩くだけでも自然に湧き出る水を見ることができます。
近年は水不足が話題になることも多いですが、このあたりではそうした影響はあまり感じられないとのことでした。
背景には、御在所岳をはじめとした山々の存在があります。
鈴鹿山脈から流れ出る水と、冬場には「鈴鹿おろし」と呼ばれる冷たい風。この自然環境が、酒造りに適した条件を生み出しています。
実際に使われているお米にも触れさせてもらいましたが、工程が非常に繊細です。

特に印象的だったのが「洗米」。
10キロ単位で仕込まれるお米を、すべて手作業で洗っていきます。
この工程、わずか1秒の違いで仕上がりが変わります。
例えば山田錦であれば17秒など、お米の種類によって時間はすべて変わります。
それを機械ではなく、人の感覚で毎年・毎回調整しているから驚きです。
お米は水を吸いすぎても、逆に吸わなさすぎてもいけない。吸いすぎれば麹づくりに影響が出てしまい、仕上がりのバランスが崩れてしまいます。
一見シンプルに見える日本酒ですが、裏側ではこうした細かな見極めが積み重ねられているのですね。

また、お米そのものについての話も興味深いものでした。
現在では酒造り専用の酒米が多く使われていますが、もともとは食用のお米で日本酒が造られていた時代もあったそうです。
より良いお酒を造るために、粒が大きく、削りやすい品種が開発されてきました。
例えば山田錦も、かつては背が高く倒れやすく、台風で大きな被害を受けることもあったのですが、現在では改良が進み安定して栽培できる品種が増えています。
また「どこまでお米削るべきか」についても試行錯誤が続いているそうです。
一般的には50%磨いた純米大吟醸のようにしっかり磨いたお米が良いとされていますが、削りすぎなくても美味しいお酒は造れるのではないか、という考えのもと様々な実験が行われています。
こうした取り組みからも、伝統を守りながら新しい可能性を探っている姿勢が感じられました。
🤩やっぱり米から出来ていると思えない衝撃の味!「Relaxation Level2」

一通り見学を終えたあとは、お楽しみの試飲タイムです。
今回は「鈿女」シリーズでも味わいが異なる3種類をいただけました。
鈿女は「幸福感が広がる癒しのお酒」というコンセプトで、全体的にやわらかく甘みのあるシリーズですが、どれも個性的で味わいが大きく異なります。
まずいただいたのが、私が衝撃を受けた「鈿女 Relaxation Level2」。
以前飲んで衝撃を受けたお酒ですが、香りからしてやはり個性的です。
酸っぱいフルーツのような香りが漂い、口に含むとまた驚き!
やわらかい甘みと共にしっかりとした酸味が口いっぱいに広がっていきます。
日本酒特有の重さやクセはほとんどなく、本当に白ワインのような軽やかさすら感じる味わい。やはり「本当に米からできているのか」と疑いたくなる果実味に驚きです。
甘口でありながらバランスが良く、飲み疲れしない。
今回の中でも特に印象に残る一本です。
続いていただいた「鈿女 純米吟醸」は、個性的な鈿女シリーズの中でもベーシカルなお酒とのこと。
確かに先程のLevel 2と比べると香りはやや穏やかで、優しい甘さと後味が軽く、食事と合わせやすいバランスの良さが感じられました。最初が個性的なので、よりスッキリした飲みやすい味わいが魅力的です。
最後の「鈿女 純米大吟醸 袋搾り」は、いわゆる王道の一本。
個性的な味わいが多い中、「ウチは王道の酒も作れるんですよ」とアピールする酒なのだとか。
飲んでみると、しっかりとした甘みと旨みがあり、飲みごたえのある味わいです。
大吟醸ですが華やかさというより、落ち着いた重厚感がある日本酒らしい魅力あふれる一杯でした。

そして特別に「鈿女 Relaxation Level3」も出していただけました。Level2を熟成させたお酒らしく、Level2でも個性的な味なのに、さらに熟成させるとその個性がどうなってしまうのか…
ドキドキしながらまず香りを嗅ぐと、これはまた日本酒らしからぬ香りがします!例えるなら紹興酒のような酸味と熟成された香りです。
味わいは…これまた個性が化けました!
先程の酸味がまろやかになりつつも米の旨みが非常に強く厚みがあります。
味わいも紹興酒のようで、食後にチビチビ味わって飲みたい1杯です。お肉の煮物料理など味わいがしっかりしたお料理と合わせることで、また違った魅力が引き立ちそうな味わいでした。
こうして飲み比べてみると、軽やかなものから濃厚なものまで、味の幅が非常に大きいことに気づきます。
最初は食前酒のように軽やかに始まり、途中にすっきりとした一本が入り、最後はデザートのようにしっかりとした甘さで締める。
コース料理に合わせて、多様な味わいを楽しめると最高そうです。
さらに酒粕を使った「にごり酢」も試飲できました。こちらはほどよい酸味で、酢の物などの料理に使うのもオススメとのことです。

いかがでしたか?
この日はイベントがあった影響もあり、スタッフの方が少ない中での対応だったそうですが、女性の方がお一人でとても丁寧に案内してくださいました。
酒蔵見学の説明から試飲まで、一つひとつをしっかりと伝えていただき、非常に満足度の高い時間でした。
試飲を終えたあと、魅力的な商品ばかりで何を買うかかなり迷いましたが、なんとか2本に絞りました。
1つは「活性にごり酒」(500ml)。
ここでしかなかなか手に入らない一本で、要冷蔵という点も含めて「今しか楽しめない特別感」に惹かれて選びました。
もう1つは「鈿女 特別本醸造(岩戸の舞)」(300ml)。
今回購入した2本で合計約2,200円と、内容を考えると手に取りやすい価格帯なのも印象的でした。
伊藤酒造さんはアクセス面でも比較的行きやすく、車であればインターチェンジからも近い立地です。
さらに、近鉄の桜駅から徒歩約5分と、電車でも無理なく訪れることができます。
酒蔵見学は一人でも参加可能で、丁寧な説明に加えて試飲や試食も充実しています。
それでいて見学は1,000円。
体験の内容を考えると、非常に満足度の高い時間だったと感じます。
ただお酒を飲むだけでなく、その背景やストーリーを知ることで、味わいの感じ方も大きく変わります。
ぜひ一度足を運び「Relaxation Level2」を飲んで、味に衝撃を受けてみてください。日本酒の概念が変わること間違いなしです。
