東京都八丈町は、八丈島の伝統的な特産品である八丈島焼酎をきっかけに島の食文化への理解を深め、その魅力を発信することを目的とした「2杯目は八丈島焼酎にしようを推進する条例」を制定したと発表しました。
条例は2026年9月7日に八丈町議会で可決され、同年11月1日に施行されます。
目次
八丈島焼酎を起点に食文化の発信を目指す

条例では飲食の機会において「2杯目のお酒を八丈島焼酎にすること」をきっかけに、八丈島の食文化の継承や伝統産業の振興、地域産業の活性化を図ることを目的としています。
町によると、この条例は焼酎の消費促進のみを目的としたものではないそうです。八丈島焼酎を入り口として、くさやや明日葉、島の鮮魚などをはじめとする島の食材や料理、さらにそれらを育んできた自然や歴史、暮らしへの関心を広げることを目指すとしています。
八丈島焼酎とは

八丈島焼酎は、東京都の八丈島で造られる本格焼酎で、芋焼酎、麦焼酎、芋と麦のブレンド焼酎が造られています。
現在、八丈島には4つの焼酎蔵元があります。
- 八丈島酒造合名会社 (大賀郷地区)— 「八重椿」「島流し」「江戸酎」など
- 八丈興発株式会社 (三根地区)— 「情け嶋」シリーズなど
- 坂下酒造有限会社 (三根地区)— 「黒潮」「JONNALIE(ジョナリー)」など
- 樫立酒造株式会社 (樫立地区)— 「島の華」「潮梅(しょめ)」など
八丈島を含む伊豆諸島で造られる一定の基準を満たした焼酎を対象に、2024年3月、国税庁長官から地理的表示(GI)「東京島酒」が指定されました。
GIは、特定の産地に由来する品質や特性を持つ産品の名称を保護する制度。「東京島酒」を名乗るには、こうじに麦のみを用いることに加え、原料や製造工程など、定められた生産基準を満たす必要があります。芋焼酎には国内産のサツマイモのみを使用し、伊豆諸島内で採取した水を用いるほか、発酵から蒸留、貯蔵、消費者向けの容器詰めまで島内で行うことなどが条件となっています。
「食」を観光資源に
八丈町によると、八丈島公式観光アプリの調査では、観光客の関心が最も高い項目として「食」が挙げられています。町は、自然や温泉と並んで「食」が観光資源になっているとしています。
また、観光客が島の食を楽しむことで飲食店や生産者への需要を生み出し、観光と地域産業の好循環につなげることを目指しています。

八丈島で味わえる食の魅力を知ってもらい、「食べるために訪れたい島」としての新たな魅力を発信する。その起点となるのが、八丈島焼酎です。
施行日に「発酵中フェス 2026」を開催

条例の施行日となる11月1日には、八丈町役場多目的ホール「おじゃれ」で「発酵中フェス 2026」を開催します。主催は八丈町で、入場料は無料。開催時間は10:00~17:00です。
イベントでは、八丈島の4つの焼酎蔵元による杯売りや、当日限定の4蔵ブレンド焼酎も販売される予定です。
このほか、島内のくさや加工場による食べ比べ企画、島産食材を使用した料理や土産品の販売、トークライブやクイズなどのステージ企画を実施。VR体験や焼酎診断アプリの体験、八丈島歴史民俗資料館の学芸員によるパネル展示も予定されています。また、八丈島大使の哀川翔さんも、スペシャルゲストとして来場予定です。
