こんにちは。
実は私、2025年に日本ソムリエ協会が認定するワインエキスパートを取得しました。
そんなワイン好きの私にとって重要なイベントが、先日大阪で開催された関西最大級のワイン試飲イベント「リカマンワインフェスタ」です。
会場には約80のワインブースが並び、赤・白・ロゼ・スパークリング、さらには日本ワインまで幅広いラインナップが勢ぞろい。
なんと約500種類のワインを比較試飲でき、シャンパーニュも試飲し放題!
普段はなかなか気軽に開けられないシャンパーニュも比較試飲できるとは、期待感だけで胸が高鳴ります。
イベントは4部制で、各部の時間は90分です。90分というと長いように感じますが、実際はあっという間。
約80ブースを前にすると、のんびり迷っている時間はありません。どのブースを回るのか、どんなワインを優先するのか、集中力と判断力が求められる「勝負の90分」です。
今回はその中から、実際にテイスティングして「これは本当に美味しい!」と思ったワインを厳選してきました。
ワインエキスパートの視点で選んだ、「ぜったい飲んでほしい神ワイン9本」(シャンパーニュ3本、白ワイン4本、赤ワイン2本)をご紹介しますので、ぜひ楽しみにご覧ください。
目次
🍾シャンパーニュ
🥂「行列の先に黄金の泡」ドメーヌ・アレクサンドル・ボネで乾杯!

会場に到着して、まず目に飛び込んできたのは――想像以上の人の列。
開場時間の5分前には到着したのですが、すでに長蛇の列でかなり盛況なイベントです。
限られた試飲時間の中、1分1秒が惜しい!
受付でリストバンドを受け取り、首から下げるグラスホルダーを装着。
この瞬間、戦闘モードが静かにオンになります。イベント会場に入り、まず手に取ったのがこのシャンパーニュ。「ドメーヌ・アレクサンドル・ボネ」。
シャンパーニュ地方でも南端に位置するコート・デ・バール地区の造り手です。この地域は「キンメリジャン土壌」という微小なカキ殻の化石が豊富に含まれた土壌で、特有のキレのある酸、高いミネラル感、火打石のような香りをもたらします。
香りを取った瞬間、驚きました。ナッツや蜂蜜、熟成のニュアンスがしっかりと立ち上がります。
色合いもやや黄金色で、若いシャンパーニュとは違う落ち着いた印象。口に含むと泡はきめ細かく、ピノ・ノワール主体らしい厚みのある果実味と美しい酸が調和しています。
試飲の一口でも十分に伝わる密度。イベントのスタートにふさわしい、シャンパーニュの完成度の高さを感じる1杯でした。
😍「脇役のブドウが主役に」ピノ・ムニエのポテンシャルを感じるH.BLIN

突然ですが、シャンパーニュに使用されるブドウの品種は何かご存知ですか?
正解は「シャルドネ・ピノ・ノワール・ピノ・ムニエ」の3種類です。
主役は通常、シャルドネかピノ・ノワールで、ピノ・ムニエはどちらかというと補助的な存在です。
ところがH.BLIN(アンリ・ブラン)の「アンリ・ブラン ミレジム」の配合はシャルドネ50%、ピノ・ムニエ50%という珍しい構成です。
飲んでみると、果実味が豊かで酸もきれい。
ピノ・ムニエの柔らかさとシャルドネの骨格が見事に調和しています。飲んでみると、ピノ・ムニエらしい柔らかい果実味と丸みのある質感がとても印象的な1杯でした
さらに驚いたのが、100%ピノ・ムニエで作られる2010年ヴィンテージの「ブラン・ド・ノワールエクストラ・ブリュット」。
色合いは黄金色で熟成感があり、香りには蜂蜜やナッツのニュアンス。口に含むと旨味が広がり、ピノ・ムニエ特有の果実の厚みがしっかりと感じられます。普段は脇役として使われる品種ですが、そのポテンシャルをしっかり体験できます。
ピノ・ムニエとの新たな出会いに感動してしまったシャンパーニュでした。
🤩「90ヶ月熟成の衝撃」ドミニク・フルール ミレジメ

次の「ドミニク・フルール ミレジメ」を飲んだときも、思わず「これはすごい…」と言ってしまいました。
まず驚くのが90ヶ月熟成という長い瓶内熟成です。
シャンパーニュでは通常、ノンヴィンテージで15ヶ月程度が最低熟成期間なので、90ヶ月というのはかなり長い熟成期間です。
香りにはローストしたアーモンドやナッツのニュアンスが広がり、長期熟成ならではの複雑さがあります。
口に含むと泡は非常に繊細で、熟成による旨味とコクがしっかり、それでいて酸がきれいに残っているため重たくならない。
このバランスの美しさはさすがシャンパーニュ!時間がワインを育てるということを、改めて実感した1杯でした。
🤍白ワイン
🍑「北ローヌの香りの女王」ヴィオニエの魅力を体感

シャンパーニュで高揚感を味わった後は、オススメの白ワインをご紹介します。
最初にオススメしたいのが北ローヌの名門ジャブレ家の6代目が手掛ける「メゾン・レ・アレクサンドラン」。
中でも「ヴィオニエ」は北ローヌ地方の代表的な白ブドウ品種で、特に北ローヌの「コンドリュー」という場所はヴィオニエの銘醸地として有名です。
グラスに顔を近づけた瞬間、ヴィオニエらしい華やかな香りが一気に広がります。アプリコットや柑橘、トロピカルフルーツのような、まさにエキゾチックな香り。
しかし飲んでみると意外にもフレッシュで、酸がきれいに伸びています。ヴィオニエは時に重たい印象になることもありますが、このワインは果実味と酸のバランスがとても美しい。
北ローヌの花崗岩土壌が生み出すミネラル感も感じられ、香りの華やかさと味わいの透明感が見事に共存しています。ヴィオニエの魅力を改めて感じさせてくれる一本でした。
🫅「ブルゴーニュの隠れた名品種」アリゴテの美しい酸

ブルゴーニュといえば様々な一流ワインを生み出す、全世界のワインラバー憧れの銘醸地です。
ブルゴーニュの白ワイン用ブドウ品種といえば「シャルドネ」が有名ですが、実はもう一つ重要な白ブドウが「アリゴテ」です。
「ピエール・モレ」は伝統的な製法に従い続ける上質なワインで名声が高い作り手で、こちらのアリゴテを飲んで、その魅力を改めて感じました。
香りはふくよかで果実味のニュアンスがありますが、口に含むとレモンやライム、青りんごを思わせるシャープな酸が広がります。
アリゴテの特徴はなんと言ってもこの美しい酸…さらに柑橘の皮のようなほのかな苦味があり、味わいに奥行きを与えています。ブルゴーニュの冷涼な気候がこの品種の酸を引き締めているのがよく分かります。
食事と合わせると魅力がさらに引き立ちそうな白ワインでした。
🐚「個性が多様すぎるソーヴィニヨン・ブラン」サンセールの奥深さ

ロワール地方というフランスの中央付近に位置する「サンセール」は、ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地として知られています。
今回3種類のサンセールを飲み比べることができました。
すべてソーヴィニヨン・ブラン100%ですが、驚くほど個性が違います。
「サンセール・ブラン キュヴェ・グリオット 23 ヴィルボワ」は石灰質土壌らしいミネラル感が強く、石を思わせる硬質なニュアンスです。
ワインとは不思議なもので、土壌によって味わいが大きく異なります。
サンセールは約1億6000万年前に海面下にあったとされており、その時代に形成された、石灰のニュアンスがワインの味わいにも移っているのです。
そう考えるとワインはまさに「時代を超えた飲み物」ですね。
「サンセール・ブラン キュヴェ・シレックス ヴィルボワ」はグレープフルーツやライムのような果実味が前面に出ていて、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを思わせるスタイル。
同じ品種でも、テロワールや造り手によってこんなに表情が変わる。「ワインってやっぱり面白い」と改めて感じた瞬間でした。
🌊「新潟で花開く海のワイン」フェルミエのアルバリーニョ

「アルバリーニョ」はスペインのリアス・バイシャスで有名な品種で、海風の影響を受ける産地から「海のワイン」とも呼ばれます。そんな品種が日本の新潟でも作られているのをご存知でしょうか?
新潟にあるワイナリー「フェルミエ」のアルバリーニョは本当に素晴らしいのです。例えるなら「高級なお紅茶」です。
実は私はこのワイナリーを訪れたことがあるのですが、再会したアルバリーニョの香りを嗅いだ瞬間うっとりしてしまいました。
グラスからは白い花や柑橘の香りに加えて、まるで上質な紅茶のようなエレガントなニュアンス。新潟ワインコーストの砂地土壌が生み出すミネラル感も感じられます。
しかし味わいはすっきりとした辛口で、爽やかな酸が広がります。
香りは華やか、味わいは軽やかというギャップがとても心地いい。
日本ワインのクオリティの高さを実感させてくれる一本です。
🍷赤ワイン
💎「マスカット・ベーリーAの概念が変わる」ダイヤモンド酒造 シャンテY.A

マスカット・ベーリーAは日本生まれの赤ブドウで、通常は軽やかでチャーミングなワインになることが多い品種です。しかしダイヤモンド酒造の「シャンテY.A」は、そのイメージを良い意味で裏切るワインです。
香りは赤い果実の甘いニュアンスがあり、ベーリーAらしいチャーミングさがあります。しかし口に含むと味わいはドライで樽熟成による奥行きが深い…「え、これベーリーA?」と思わず口に出してしまうほどの衝撃があります。
造り手の雨宮吉男さんはブルゴーニュで醸造を学んだ経験があり、「マスカット・ベーリーAの限界に挑戦する、まるでマスカット・ベーリーAの伝道者のような人」と評価されている方です。
その影響かワインの構造がとても繊細。日本の食文化との相性も良さそうで、しめ鯖などとも面白いペアリングになりそうです。ベーリーAの新しい可能性を感じた一本でした。
今回初めて雨宮さんお会いでき、直接ワインを注いでいただきました。生産者さんと直接お会いしてお話を伺えるのも、こういったイベントの醍醐味ですね。
🏰「名門ボルドーの気品」ラフィットの血を感じる赤

最後に楽しんだのはワインの聖地・ボルドーのワインです。
まずは「ル・プティ・オー・ラフィット」、超有名なスミス・オー・ラフィットのセカンドラベルです。
香りを嗅ぐとカベルネ・ソーヴィニヨン主体のブレンドらしく、カシスやブラックチェリーの果実味に樽香が重なります。タンニンは滑らかで、非常にバランスの良い味わいです。
続いてサンジュリアンの「シャトー・ラグランジュ」サントリーが所有するシャトーとしても有名です。
サンジュリアンはボルドーの中でもエレガンスと力強さのバランスが優れた地区として知られています。実際に飲んでみると、果実味・酸・タンニンが非常に整っており、クラシックなボルドースタイルを感じます。イベントの最後にふさわしい、王道の赤ワインでした。
やはりボルドーは特別。イベントの締めにふさわしい赤でした。

いかがでしたか?
今回のリカマンワインフェスタで改めて感じたのは、ワインイベントの楽しさはワインだけではないということです。
印象的だったのは、山梨のダイヤモンド酒造のマスカット・ベーリーAを飲んでいたときのこと。一口飲んだ瞬間驚いていると、隣で試飲していた女性もまったく同じリアクションをしていて思わず笑ってしまいました。
そこから自然と会話が始まり、ワインの話で盛り上がり、最後には連絡先を交換し「今度一緒に飲みに行きましょう」という話になりました。
こういう偶然の出会いが生まれるのも、ワインイベントの魅力の一つだと思います。
同じワインを飲んで、同じ感動を共有できる。ワインラバー同士のつながりが自然に生まれる空間でした。
また、実際にワインを造っている方やインポーターの方から直接話を聞けるのも大きな楽しみです。
ワインラバーの方も、これからもっと知りたいという方も、ぜひ一度ワインイベントに足を運んでみてください。
きっと素敵な一杯と、素敵な出会いが待っています🍷
