こんにちは。
突然ですが、「日本ワインといえば山梨?軽くて飲みやすい感じ?」なんてイメージを持っていませんか?
実は今の日本ワインは産地が広がり、味わいの個性も使用されるブドウ品種も多様化しています。
北は北海道から南は宮崎まで栽培地は広く、冷涼でシャープなスタイルから果実味豊かなワインまで、本当に幅広くなっています。
そんな日本ワインの魅力を知れる試飲会に参加してきました。
この試飲会には、なんと全国から23のワイナリーが集結していました!
4時間ガッツリ様々なワインを飲んだ中から、今あなたに飲んでほしい日本ワインを、ワインエキスパートの視点で5本厳選して紹介します。
厳選の基準は下記3点です。
・日本ワインらしさがあるか
・今のトレンドや進化があるか
・本当に人におすすめできるか&また飲みたいか
この視点で5本を厳選しましたので、最後まで楽しんでご覧ください!
目次
☝️まずはここから!九州の実力派「安心院葡萄酒工房」

最初は、大分県の安心院葡萄酒工房です。
このワイナリーの特徴は、栽培しているブドウの多さです。
なんと17品種以上のワイン用ブドウを栽培しており、ラインナップも非常に多彩。
シャルドネやメルローといった王道品種はもちろん、
小公子のような日本オリジナルの品種まで幅広く手がけています。
中でも印象的だったのが「アルバリーニョ 矢津」(3,455円)。
標高違いで複数アルバリーニョを展開しており、それぞれの個性を楽しめる造りになっています。ラベルにある点の数が標高を表している点もユニークです。
香りは非常に華やかで、アルバリーニョらしいアロマティックさがあり、思わず何度も嗅ぎたくなる魅力があります。

一方で味わいはしっかりと辛口でミネラル感もあり、香りとのバランスが非常に良い仕上がりです。内陸のワイナリーでありながら、どこか海を感じさせるようなニュアンスがあるのも面白いポイントです。
もうひとつ印象に残ったのが「樽熟成 マスカット・ベーリーA」(2,625円)
一般的には軽い印象になる品種ですが、こちらは樽熟成によりしっかりとしたタンニンと厚みのある味わいに仕上がっていました。
香りにはマスカット・ベーリーA特有のやさしい甘さがありながら、口に含むとバランスの良い奥行きが感じられるので素直に驚かされる一本でした。
まずはこのワイナリーから、日本ワインの「今」を感じてみてほしいです。
🫢14年熟成⁉︎スパークリングの概念が変わる「北条ワイン」の衝撃

次に伺ったのは鳥取県の北条ワイン醸造所で、ここのワインはかなり衝撃的でした。
まず驚かされたのが、熟成に対する徹底したこだわりです。
なんと瓶内二次発酵のスパークリングを14年も熟成させているとのこと!
14年熟成のスパークリング…
これは世界中を見てもなかなか出会えません。
そのワインの名前は「トットリSKY」(4,000円)。
香りを嗅いだ瞬間に感じるのは、一般的なスパークリングとはまったく異なる熟成由来の深みのあるニュアンス。
フレッシュさではなく、落ち着きと奥行きがジワッと広がります。
そして口に含むと、厚みのある味わいと長く続く余韻。
スパークリング=軽やか、というイメージが完全に覆されました。
これはもう乾杯ではなく、食後にゆっくり楽しみたい一本です。
さらに驚きなのがこの価格。
14年熟成の瓶内二次発酵スパークリングで4,000円とは、下手なシャンパーニュを買うよりも満足度が高いです!

もうひとつ印象的だったのが、同じく甲州を使用した「ヴィンテージ白」(3,455円)。
これが、いわゆる山梨の甲州とはまったく別物でした。
一般的に山梨の甲州といえば、お刺身や和食に合わせるような繊細で軽やかなスタイルをイメージする方が多いと思います。
こちらの甲州は全く別物で、香りにはバナナのようなトロピカルさがあり、味わいにもしっかりとした厚みとボリューム感があります。
このスタイルだと、合わせる料理も変わってきます。
オリーブオイルやエビを使った少しコクのある料理とも相性が良さそうで、いわゆる和食寄りの甲州とはまったく違う楽しみ方ができる味でした。
同じ「甲州」でも、産地によってここまで差が出るとは驚きです。
🙃香りと味わいのギャップが楽しい!「朝日町ワイン」

次にご紹介するのは山形にある朝日町ワインです。
こちらで特に面白いのが、「リースリング・フォルテ&リオン」(1,810円)です。
どちらも珍しい品種ですが、まず香りがとても良い。
フルーティーかつハチミツのようで、少し甘いタイプかと想像したのですが、実際に飲んでみると、味わいはしっかりドライ。
香りがアロマティックなワインは味わいも甘めであることが多く、どうしても合わせる料理が限られてしまうことがあります。
こちらは香りが華やかなのに、味わいはすっきりと辛口なので、食事にも合わせやすいのが魅力です。
香りの豊かさは楽しみたい、でも甘すぎるワインは苦手という方には、かなり刺さるタイプです。

同じく香りは甘いが味はドライのギャップ系が、「マイスターセレクション 遅摘みマスカット・ベーリーA 赤辛口」(2,260円)です。
マスカット・ベーリーAらしい、華やかでやわらかな甘い香りがしっかりと立ち上がってきます。
ですが口に含むと味わいはきちんとドライで、するすると飲めてしまう。
香りと味わいに差がある、とても面白いワインでした。
さらに樽熟成の影響もあり、マスカット・ベーリーAとしては意外なくらいシッカリとした骨格があります。
軽やかでチャーミングだけでは終わらず、ほんのりとタンニンも感じられて、味わいに厚みが出ている印象でした。
マスカット・ベーリーAに「軽い優しい赤」というイメージを持っている方ほど、驚くこと間違いなしです。
朝日町ワインを飲んで感じたのは、香りと味わいのギャップが生む面白さです。
香りから想像した味わいと、実際に口に含んだときの印象がズレる感覚を楽しんでみてください!
⛰️甲州の本質!そして進化!山梨「くらむぼんワイン」

続いてご紹介するのは、山梨にあるくらむぼんワイン。
こちらのワイナリーでは、主に甲州とマスカット・ベーリーAといった、日本オリジナルの品種を中心に扱っています。
特に印象的だったのは、甲州だけでも複数のスタイルが用意されているという点。
同じ品種でも造り方によってここまで味わいが変わるのかと、改めて驚きました。
まずいただいたのは、いわゆる王道の甲州「くらむぼん甲州」(1,800円)。
これが本当に美しい。
余計な要素が一切なく、すっと体に入ってくるような透明感。
まさに「これが甲州」と言いたくなる、非常に完成度の高い味わいでした。
どこまでもクリーンで雑味がなく、澄んだ水のようにすっと飲めてしまう感覚。
ワインをあまり飲み慣れていない方でも抵抗なく楽しめる、いわば入口としての完成形のような一本です。

一方で、もうひとつ印象的だったのが、樽熟成の甲州。
こちらは自社畑のブドウを使用し、天然酵母で発酵させたスタイル。
先ほどの「王道の甲州」とは、まったくの別物でした。
まず感じるのは、味わいの奥行きと厚み。そして、ほんのりとした熟成感。
もともと甲州はニュートラルな品種なので、造り手のアプローチによって表情が大きく変わります。
シンプルで美しい甲州。
そして、手を加えることで生まれる複雑で深みのある甲州。
同じ品種でありながら、ここまで違う世界を見せてくれるのが日本ワインの面白さだと改めて感じました。
❓正解を探しながら飲む遊び心!長野「アルプスワイン」

次に面白いと感じたのが、長野県のアルプスワイン。
塩尻や松本を中心に展開しているワイナリーですが、飲み方そのものが面白かったです。
「Confidential」(白:1,800円・赤:2,170円)というシリーズ。
こちらの白と赤ワインは、なんとブドウ品種が非公開。
何が使われているのかは後日ホームページで公開されるとのこと。
飲みながら「これ、何の品種だろう?」と考える体験自体がとても面白いんですね。
ヒントになるのが、同じワイナリーで造られる他のワインたちです。
「ミュゼドゥヴァン oasis 3」(2,170円)は、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネールの3品種を使用していて、華やかさがありながらも辛口でまとまりのある味わいでした。
香りはしっかりアロマティックなのに、飲むとドライ。
このバランスがとても良く、食事にも合わせやすい印象です。
「ミュゼドゥヴァン エトワール塩尻ソーヴィニヨン・ブラン」(3,430円)は、
ボルドー産のような落ち着きと厚みがあり、ジワっと旨みが広がるタイプでした。
また「ALPS FARM 竜眼」(1,800円)をいただくと、「Confidential」と同じ苦味のニュアンスが感じられました。
おそらくゲヴュルツトラミネールと竜眼、シャルドネが入っていそうだな…とワインを味わうだけでなく、推理するのもまた楽しいです。

さらに印象的だったのが「ミュゼドゥヴァン ダイナスティ塩尻カベルネフラン」(3,600円)というカベルネ・フラン単体のワイン。
カベルネ・フラン単体のワインは多くないので、品種の味わいを純粋に感じられる貴重な一本でした。
色合いは比較的淡めですが、飲んでみるとメルローのようなやさしさがありつつ、しっかりとしたタンニンも感じられます。
全体としては非常にまろやかで、2018年の熟成による落ち着きがしっかり出ています。
適度な酸もあり、余韻がじんわりと続いていく印象でした。
派手さはないものの、じっくりと楽しめる完成度の高いワインです。
アルプスワインで感じたのは、考えながら飲む楽しさです。
何の品種かを想像しながら、他のワインと比較しながら理解を深める。
ただ美味しいだけでは終わらない、一歩深いワインの楽しみ方ができます。
🏝️トロピカル!南国の太陽を感じる「都農ワイン」

続いて面白かったのが、宮崎県の都農ワインです。
九州にワインというイメージはないかもしれませんが、実は30年以上も前からワイン造りを続けている歴史あるワイナリーです。
南国らしい豊富な日照量を活かし、トロピカルな表現を得意としています。
まずいただいたのが、「白水アンフィタード シャルドネ#6-B」(4,200円)。30年の古木から造られるワインで、しっかりとトロピカルな果実味。
南の産地らしい熟したニュアンスがありながらも、重すぎることはなく、バランスの取れた味わいでした。
もうひとつ面白かったのが、宮崎ならではの品種を使った「キャンベル・アーリー ドライ」(1,600円)。
赤ワインでありながら重たすぎず、しっかりとした酸が特徴的でした。
ここで思い浮かんだのが、宮崎の代表的な料理であるチキン南蛮です。
鶏肉の旨みに甘酢の酸味の組み合わせです。お酒とは不思議なもので、その土地の名物料理との相性が抜群に良いのです。
宮崎といえば焼酎というイメージが強いかもしれませんが、ワインとのペアリングの可能性も十分にあります。
新たなペアリングの可能性が考えられる、非常に面白い発見でした。
🥇発表!今あなたに飲んでほしい日本ワイン5選!

今回の試飲会を通して、数多くの日本ワインを飲み比べてきましたが、中でもぜひ飲んでほしい5本を、最後にご紹介します。
1本目:鳥取 北条ワイン「トットリSKY」 4,400円
瓶内二次発酵で14年熟成という圧倒的な存在感。
香りの段階から感じられる熟成の深み、厚みのある味わいで、飲んでみる価値は充分にあります!
2本目:大分 安心院葡萄酒工房「アルバリーニョ 矢津」 3,455円
やはり魅力は、あのフルーティーで心地よい香り。
グラスに注いだ瞬間に広がるアロマは、一度体験してほしいレベルです。
香りを楽しみたい方には間違いなくおすすめです。
3本目:山形 朝日町ワイン「遅摘みマスカットベーリーA赤辛口」2,486円
チャーミングで甘い香りがありながら、味わいはしっかりドライ。
「香りと味のギャップ」を楽しんでいただきたいです。
4本目:山梨 くらむぼんワイン「くらむぼん甲州」1,980円
非常にクリアで美しく、「これぞ甲州」と言いたくなる味わい。
雑味がなく、すっと飲める感覚をぜひ体験してほしいです。
日本ワインの入り口としても非常におすすめです。
5本目:長野 アルプスワイン 「Confidential(白)」1,980円
こちらは美味しさだけでなく、考えながら飲む楽しさがあるワイン。
何の品種が使われているのかを想像しながら味わうのは、結構面白いですよ。
他にもご紹介したいワインはたくさんあるのですが、
今回の試飲会を通して、個人的に一番の発見だったのは北条ワインでした。
「トットリSKY」だけでなく、赤ワインも非常にクオリティが高く、特にマスカット・ベーリーAの樽仕込みやメルローなど、どれも熟成感があり、完成度の高さを感じました。
「鳥取でワイン?」と思うかもしれませんが、飲むとイメージはいい意味で覆され、まさに日本ワインの概念が変わります。
日本ワインには、まだまだ魅力がたくさん詰まっています。
ぜひ気になる一本から試してみてください。
