「デザートワイン」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
これは、ごく簡単にいえば、「非常に甘味の強いワイン」のことです。しかし、「甘いワイン」であっても、その種類はさまざまです。
今回はその「種類」と、デザートワインの楽しみ方について見ていきましょう。
目次
代表的なデザートワインを知ろう
まずは、代表的なデザートワインとその特徴について取り上げます。
1.貴腐ブドウが由来のもの
カギの一種であるボトリティス・シネレアに感染したブドウから作るブドウです。これに感染するとブドウの中から水分が蒸発し、その分味と甘みが凝縮したブドウができあがります。これから作られるものをいいます。特に、フランスのソーテルヌやハンガリーのトカイワインが有名です。
2.アイスワイン
こちらの方は、カビの力ではなく自然の力を借ります。名前からも分かるように、ブドウを極めて低い気温(マイナス7度以下)に晒してブドウを氷結させます。凍ってしまった水分を排除して、残りの部分でワインを作ります。
リースリングなどを原材料としてよく作られます。
3.酒精強化ワイン
ワインは発酵によって作られますが、これを途中で発酵を止めてアルコールを添加します。これによって甘味が作られます。
もっとも有名なのは、「ポートワイン」でしょう。「酒精強化ワイン」にも「デザートワイン」にも分類されるものです。
4.レイトハーヴェスト
名前の通り、収穫時期を遅らせて摘み取ったブドウから作られたものです。水分が干上がったブドウから作られるものであり、ドイツなどでよく見られます。
5.ヴィンサント
こちらはイタリアのトスカーナでよく作られているものです。「ブドウを陰に干して、さらに発酵と3年以上の熟成を経る」という、長い時間をかけて作られるもので、総じて高額です。
なおこれ以外にも、「甘い品種で作られるワイン」などもあります。特にドイツの場合、ワインの格付けが「甘さ」によっても分けられているため、この傾向が顕著です。
デザートワインの楽しみ方
デザートワインは、食前もしくは食後に楽しむのが基本です。強烈な甘さが食欲を増進させてくれますし、また逆に〆のデザートとして舌を楽しませてくれます。
ただ、一部のレストランでは、非常に苦みの強い食材(ゴーヤ)などとデザートワインを合わせて食中酒として楽しませてくれる場合もあります。ただしこれは非常にチャレンジフルな試みなので、家で楽しむときには食前もしくは食後というセオリーを守る方がよいでしょう。
デザートワインは、作るのに非常に手間がかかるうえ、収穫量も非常に少ないものです。そのため、ほかのワイン以上に値段が高く設定されていることが多いのが特徴です。
また、口当たりがよく杯が進みがちですが、度数が高いものも多いので注意が必要です。
参考URL:https://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=MM