キリン株式会社の健康技術研究所は、ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸が、肥満に伴い生じる認知機能低下を改善することを世界で初めて解明しました。
キリン株式会社はこの研究成果を7月16日(日)から20日(木)にロンドンで開催された「国際アルツハイマー病学会2017年度大会」にて発表しました。
目次
日本では約462万人、世界では3,560万人以上の方が認知症を患っているとされ、国内外で大きな社会課題
現在、高齢者の増加に伴い、日本では約462万人※1、世界では3,560万人以上※2の方が認知症を患っているとされ、国内外で大きな社会課題となっています。
さらに近年、肥満や生活習慣病が認知症発症リスクを高めることが明らかになっています。
一方、認知症には発症後の十分な治療法が開発されていないため、予防法への関心が高まっており、肥満や生活習慣病の改善が認知症予防の有用な手段の一つとなる可能性があります。
※1 内閣府調べ(2012年)
※2 世界保健機関(WHO)調べ(2012年)
肥満に伴い生じる認知機能低下に対するイソα酸の効果を、非臨床での試験により評価
ビールの原料として1,000年以上にわたり使用されているホップは、薬用植物としても知られています。キリン株式会社ではこれまでホップ由来ビール苦味成分であるイソα酸のアルツハイマー病予防効果※3、生活習慣病改善効果※4を独自に解明してきました。
今回は、肥満に伴い生じる認知機能低下に対するイソα酸の効果を、非臨床での試験により評価しました。
その結果イソα酸は、肥満抑制作用および肥満に伴い生じる脳内炎症や海馬委縮への抑制作用を示し、さらに認知機能改善効果を示しました。
これにより、イソα酸は肥満に伴い生じる認知機能低下を改善することが示唆されました。
※3 出典:Ano et al., J. Biol. Chem. (2017年)
※4 出典:Yajima et al., J. Biol. Chem. (2004年)
発表の概要
発表演題名 | Iso-α-Acids, Bitter Components of Beer, Improves Obesity-Induced Cognitive Decline (ビール苦味成分イソα酸は肥満による認知機能低下を改善する) |
学会名 | 国際アルツハイマー病学会2017年度大会 |
発表日 | 2017年7月16日(日)~20日(木) |
発表場所 | ExCel London(イギリス) |
発表者 | キリン株式会社 |