オンライン酒屋「クランド」は6月20日、ベルサール新宿南口にてクランドサケフェスティバル(通称:クランドサケFES)を開催。会場には150種類以上のお酒が並び、多くの造り手が来場者との交流を楽しんでいました。
今回は、埼玉県秩父地域で人類最古のお酒と呼ばれる“ミード”を手がける、ディアレットフィールド醸造所の4種類を飲み比べ。なかなか知る機会がない「ミードとは何か」についても、創業者の工藤エレナさんにお話を伺いました。
目次
ディアレットフィールド醸造所とは
ディアレットフィールド醸造所は、埼玉県秩父郡小鹿野町にあるミード(蜂蜜酒)専門の醸造所です。地名の小鹿(ディアレット)+野(フィールド)に由来する名前とのこと。2021年に廃校となった旧倉尾中学校を活用して設立され、国内では珍しいミード専門醸造所(ミーダリー)として知られています。
秩父で採れた百花蜂蜜を使用した「秩父百花」をはじめ、国内外のさまざまな蜂蜜を原料としたミードを製造している造り手です。
世界最古のお酒・ミードとは
ミードは蜂蜜と水を発酵させて造る酒で、「世界最古のお酒」ともいわれています。「ブドウジュースがワインになるように、リンゴジュースがシードルになるように、蜂蜜を水で割ってあげることで、アルコール発酵したお酒です」と工藤さんは説明されていました。
工藤さんによると、ミードはアニメやゲームの世界にもたびたび登場する身近なお酒。また、蜂蜜の種類によって味わいが大きく変わるだけでなく、フルーツやハーブ、スパイスを加えることで個性豊かなミードが生まれるのも魅力です。今回試飲した4種類も、「蜂蜜のお酒は甘さを楽しむもの」というイメージが覆される味わいで、その幅広さを実感させるラインアップでした。
「日本ではミードは甘くてクセがあると思われがちですが、春の百花蜂蜜やフルーツの花の蜂蜜をたっぷり使うと、すっきり爽やかになります。原料が良ければ、お酒もおいしくなるのは当然なんです」と工藤さんは語ります。
ミードの歴史を感じるエピソードとして、「ハネムーン(honeymoon)」の語源になったという説や、ハーブを加えたミードは「メセグリン」と呼ばれ、「medicine(薬)」の語源につながるという説もあるのだと話してくれました。
古い歴史と豊かな文化を持つお酒ですが、ディアレットフィールド醸造所では、いろいろな素材と組み合わせた新しい味わいも次々と生み出しています。
ミード4種類を飲み比べ

BLUEBERRY MEAD PREMIUM(写真左)
国産ブルーベリー、蜂蜜、米麹を使用した無濾過のミードで、アルコール度数は10%。贅沢にはちみつとブルーベリーを使うことで、蜂蜜のやさしいコクとブルーベリーの果実感が調和した、上品な甘酸っぱさが魅力のお酒です。
最初にいただいた1杯だったのですが、ブルーベリーの爽やかさが、ミードと相性が良いことを実感しました。工藤さんも「10%まで発酵させることでサラッと感が出て、ブルーベリーによって爽やかな後味になります」と話していました。
販売価格:5,800円(税込)
容量:500ml
アルコール度数:10%
販売サイト:https://kurand.jp/products/blueberrymeadpremium
Legend Mead(写真左から2番目)
1年のうち数日しか採取できない青森県産のりんご蜂蜜を100%使用した極甘口ミードです。原材料は蜂蜜のみ。通常より蜂蜜の割合を増やし、発酵期間を短くすることで、濃密な甘みと華やかなりんごの香りを楽しめる仕上がりとなっています。
「クランドのお客様は甘口が好きなので、アルコール度数は4%と低めで発酵を止めて甘やかなお酒に仕上げました」とのこと。しかし、味わってみると甘さの際立つデザート酒ではなく、ミードの複雑さを感じられる、酒好きが楽しめる味わいでした。「ミードって何だろう?」と思っている方に、ぜひ味わってもらいたい1本です。
販売価格:9,800円(税込)
容量:500ml
アルコール度数:4%
販売サイト:https://kurand.jp/products/legendmead
花蜜 林檎と薔薇の蜂蜜酒(写真右から2番目)
2026年1月9日から1月23日までの期間・数量限定の抽選販売商品だった貴重なミードです。りんごの花の蜂蜜と国産の野薔薇の蜂蜜を組み合わせ、こちらも発酵を4%で止めて極甘口に仕上げています。
工藤さんも「林檎と蜂蜜の香りなので、人類みんなが好き」と語っており、この日一番喜ばれたお酒とのことでした。とろとろとした甘さの中に蜂蜜の旨味が感じられ、余韻も長く続きます。林檎が華やかさを加えており、上品さと複雑さを感じる味わいでした。
販売価格:7,990円(税込)・終売
容量:500ml
アルコール度数:4%
蜂紅 THE AMARIN & MEAD(写真右)
こちらも2025年4月25日から5月9日までの期間・数量限定の抽選販売商品だった貴重なミードです。埼玉県産の高級いちご「あまりん」を贅沢に使用し、蜂蜜酒ならではの濃密な甘みと果実感を楽しめます。
グラスからはいちごの甘酸っぱいアロマが広がり、あまりんの実力を感じます。高級いちごと蜂蜜という主役級の素材同士でありながら、一方が突出することなく、それぞれの個性を引き立て合う仕上がりでした。
販売価格:6,990円(税込)・終売
容量:500ml
アルコール度数:8%
“蜂蜜のお酒”のイメージが変わる体験
今回試飲した4種類は、同じミードでありながら驚くほど個性が異なっており、ミード=蜂蜜の甘さを楽しむお酒というイメージは、すっかり覆されました。
「飲める人も飲めない人も、一緒に楽しめるお酒を目指して造っています」と語る工藤さん。その言葉通り、低アルコールで甘やかなタイプから、アルコール度数を高めてすっきりと仕上げたタイプまで、それぞれ異なる個性を持ち、複雑さや奥行きが感じられました。
ミードは単なる“蜂蜜の甘いお酒”ではなく、蜂蜜という素材の個性を引き出しながら、さまざまな素材と組み合わせることで多彩な味わいを表現できる、自由度の高いお酒なのかもしれません。工藤さんの情熱的な説明や今回の試飲を通じて、世界最古のお酒=ミードの奥深さに触れる体験となりました。
